【引き算コーチング】人は、見えている道しか選べない
こんにちは、
サポートコーチ出雲の山根浩二です。
仕事をしていると、
どうしても自分では
どうにもできないようなことが起こります。
・お客様から理不尽な要求をされる。
・取引先から無理なことを言われる。
・社員のことで困る。
・社会の仕組みそのものが、
自分にとってはどうにも納得できない。
そんなことって、ありますよね。
そして、そういうことが続いてくると、
「もう、どうしようもないな」
「自分には何もできない」
「こうするしかない」
というふうになってしまう。
これは、誰にでも起こることだと思います。
私自身も、もちろんあります。
本当に、
どうにもならないことってありますからね。
だから、
「どんなことでも自分の力で変えられます」
と言いたいわけではありません。
世の中には、
自分一人では変えられないことが
たくさんあります。
ただ、コーチングをしているときに、
私が大事だと思っていることがあります。
それは、
「動けない」のではなく、
「動かない」ということを、
今、自分が選んでいるのかもしれない
ということです。
一見すると、どちらも同じです。
・何も行動していない。
・状況も変わっていない。
・結果も変わっていない。
でも、そこに大きな違いがあると思うんです。
「自分には何もできないから、動けない」
と思っているのと、
「いろいろ選択肢はあるけれど、
今は動かないことを選んでいる」
と思っているのでは、
まったく違います。
前者には、自分の力がありません。
周りの状況に、自分が動かされている。
でも後者には、自分の意思があります。
「今は、これを選んでいる」
という感覚がある。
そして、この感覚を取り戻すことが、
私はとても大事なんじゃないかなと
思っています。
コーチングの中で、
こんな質問をすることがあります。
「今の状況を、もっと悪くするとしたら、
どうしたらいいですか?」
ちょっと変な質問ですよね。
普通なら、
「どうしたら、この状況を良くできますか?」
と聞きます。
でも、良くする方法を考えようとすると、
・「そんな方法はない」
・「自分にはできない」
となってしまうことがあります。
ところが、
「もっと悪くするには?」
と聞いてみる。
すると、
「もっとこうしたら悪くなる」
「こういうことをしたら、もっと大変になる」
と、意外と答えが出てくるんです。
私は、ここが面白いなと思っています。
悪くする方法が分かるということは、
自分の行動によって、
状況に影響を与えることができる
ということです。
つまり、
「自分には何もできない」
わけではない。
少なくとも、
「自分には状況を変える力がある」
ということに気づくことができる。
もちろん、
悪くする力があるからといって、
必ず良くできるとは限りません。
そこは、そんなに単純な話ではないです。
でも、
「悪くすることができる自分」
に気づいたとき、
「だったら、
良くするために何ができるんだろう?」
という次の問いが生まれてくる。
ここから、
少しずつ選択肢が見えてくるんです。
・例えば、相手が変わらない。
・理不尽な要求もなくならない。
・社会の状況も変わらない。
それでも、
「自分はどうする?」
という問いは残ります。
・直接伝えるのか。
・断るのか。
・距離を置くのか。
・誰かに相談するのか。
・別の方法を探すのか。
・今は何もしないのか。
実は、「何もしない」ことさえも、
一つの選択肢なんです。
そう考えると、
少し見え方が変わってきます。
「仕方なく、何もしない」
のではなく、
「今は、何もしないことを選んでいる」
ということになる。
この違いは小さいようで、
私は大きいと思っています。
なぜなら、
「自分には選べない」
と思っている人は、
次の一歩を探すことができません。
でも、
「自分には選択肢がある」
と思えた瞬間から、
「じゃあ、どれを選ぼうか」
ということが始まるからです。
私は、コーチングには、こういう
「自分の力を取り戻す」
という役割もあると思っています。
コーチが、
「こうしてください」
と答えを与えるわけではありません。
クライアント自身が、
「自分には選べるものがあるんだ」
と気づいていく。
そのために、
「本当に、それしか方法はないんでしょうか?」
「もし逆のことをするとしたら?」
「もっと悪くするとしたら、どうしますか?」
「ほかに何ができますか?」
と問いかけていく。
すると、
今まで見えていなかった選択肢が、
少しずつ見えてくる。
そして、その中から自分で選ぶ。
私は、それが「主体性を取り戻す」
ということなんじゃないかなと思っています。
理不尽なことは、なくならないかもしれません。
自分では変えられないことも、
これからもあるでしょう。
でも、
その状況の中で、自分は何を選ぶのか。
そこまで他人や環境に
”自分の主体性”渡してしまわなくてもいい。
「自分には何もできない」
と思っていたところから、
「いや、少なくとも自分には選ぶことができる」
というところまで戻ってくる。
それだけでも、
人は少し前を向けるように
なるんじゃないでしょうか?
私は、コーチングというのは、
何か特別な力を与えるものではなく、
もともとその人の中にある力を、
もう一度使える状態に戻していくもの
でもあると思っています。
選べなくなっていた人が、
「自分で選んでいいんだ」
と思えるようになる。
その瞬間から、
止まっていたものが、
また少し動き始める。
私は、
その小さな変化を一緒につくっていくことも、
コーチングの大切な仕事の一つだと
思っています。


