【引き算コーチング】「これでよかったのか」と不安になったときに…
こんにちは、サポートコーチ出雲の山根浩二です。
「やることは分かっているんですけど、なかなか動けなくて……」
経営者の方と話していると、こういう言葉を聞くことがあります。
やったほうがいいことは分かっている。
やりたい方向も見えている。
それなのに、なぜか動けない。
こういうとき、私は「行動力がない」とはあまり考えません。
もしかすると、最初の一歩が大きすぎるんじゃないかなと思うんです。
前回までのコラムでも書いてきましたが、
私はコーチングの中で、
まず「これしかない」という思い込みを引き算して、
選択肢を広げることを大切にしています。
そして、その中から「自分はこれをやってみたい」と本人が選ぶ。
ここまで来ると、一見するともう問題は解決したように見えます。
でも、実際にはここからなんですよね。
いざ行動しようとすると、思った通りにいかない。
やってみたら相手から断られた。
予定していた売上にならない。
人に任せようと思ったけれど、うまく伝わらない。
新しいことを始めたら、今までなかった問題が出てきた。
……まあ、経営をしていたら、そんなことは普通にありますよね。
新しい道を歩き始めたんだから、新しい壁が出てくる。
むしろ、何も問題が起きないほうが珍しいのかもしれません。
でも、その壁の前に立つと、
「やっぱり、この選択は間違っていたのかな」
「前のやり方に戻ったほうがいいんじゃないか」
と、不安になってしまう。
そして、一人で考えていると、
その壁ばかりが大きく見えてしまうことがあります。
私は、こういうときにコーチがいる意味があると思っています。
壁に立ち止まっているコーチングのセッションでは、
まず今の状況を整理します。
「本当は、どちらに向かいたいのか?」
「今、何が壁になっているのか?」
「何がうまくいっていないのか?」
そこを一度、整理してみる。
その上で、少し視点を変えてみます。
「相手の立場から見たら、どう見えるでしょう?」
「あなたが尊敬する人だったら、どう考えるでしょう?」
「そもそも、その壁は本当に越えなければいけない壁でしょうか?」
「横から回り込む方法はないでしょうか?」
「誰かの力を借りることはできないでしょうか?」
そうやって、一人で考えていたときには見えなかったものを、
一緒に探していく。
壁を消すわけではありません。
壁があることは変わらない。
ただ、壁しか見えていなかった状態から、
壁の向こう側を見ることができるようにする。
私は、これもコーチングの大事な役割だと思っています。
そして、もう一つ大切にしていることがあります。
それは、答えが見つかったら、
「では、最初に何をしますか?」
と聞くことです。
ここで私は、できるだけ小さな一歩にしたいと思っています。
そして、さらに、
「それって、100%実行できますか?」
と聞きます。
「90%ならできます」
だったら、まだ大きい。
「80%です」
だったら、もっと小さくする。
「じゃあ、100%できる最初の一歩って、何でしょう?」
と、もう一度考えてもらいます。
これは、別に「小さなことしかやらない」という意味ではありません。
最終的にやりたいことは、もっと大きなことかもしれない。
でも、大きなことを実現するためには、まず動き出さなければいけない。
そのためには、「これならできる」
という感覚が必要なんだと思います。
例えば、
「新規顧客を10件獲得する」
という目標があったとしても、それだけでは大きすぎるかもしれません。
じゃあ、「今日、候補になりそうなお客様を3社書き出す」
ならどうでしょう。
それなら100%できる。
だったら、まずそこから始める。
そして、それができたら次の一歩を考える。
そうすると、「自分はできた」
という小さな経験が積み重なっていきます。
私は、この「できた」という感覚が結構大事だと思っています。
人は、一度「できる」と思えると、次の行動が少し楽になります。
そして、次の行動をしたくなる。
逆に、「できるかどうか分からない」
という状態のまま大きな一歩を踏み出そうとすると、動き出す前に疲れてしまう。
だから、行動できない人がいるというより、
「行動するには、まだ一歩が大きすぎる」
ということがあるんじゃないかなと思うんです。
そして、ここにも私は「引き算」があると思っています。
新しい行動を足す前に、
「失敗したらどうしよう」
「うまくいかなかったらどうしよう」
「こんなことをやって意味があるのかな」
という不安や、必要以上に大きくなっているハードルを引き算していく。
そして、100%できるところまで、最初の一歩を小さくする。
そうすると、ようやく「じゃあ、やってみようかな」と思える。
もちろん、その一歩を踏み出した先にも、また壁は出てくるでしょう。
でも、そのときはまた考えればいい。
一人で壁の前に立ち尽くすのではなく、コーチと一緒に、
「じゃあ、今度はどうしましょうか」
と考える。
私は、コーチングって、何か特別な答えを一度出して
終わるものではないと思っています。
選択肢を見つけて、選んで、動いてみる。
壁にぶつかったら、また整理する。
視点を変えて、もう一度選択肢を広げる。
そして、今度は100%実行できる小さな一歩まで落とし込む。
そうやって、一歩ずつ前に進んでいく。
経営者が一人では見つけられなかった「次の一歩」を、一緒に見つける。
それも、引き算コーチングで私がやっていることの一つです。


