「もっと」を追い求めるのはもうやめよう。あなたのエネルギーを1点に集中させる「引き算」の力
こんにちは、サポートコーチ出雲の山根浩二です。
「これをやったら、うまくいくかもしれない」
そう考える前に、
「でも、失敗したらどうしよう」
と考えてしまうことって、ありませんか?
新しいことを始めようとするとき。
今までやったことのない仕事に挑戦するとき。
価格を上げようとするとき。
誰かに仕事を任せようとするとき。
頭の中に浮かんでくるのは、
「できるかもしれない」という可能性よりも、
「失敗したらどうしよう」
「うまくいかなかったら恥ずかしい」
「お客様に嫌われたらどうしよう」
「今より悪くなったらどうしよう」
という、不安のほうだったりします。
私は、これは人間として、
ある意味では自然なことなんじゃないかなと思っています。
人間には、危険を避けようとする力があります。
危ないものに近づかない。
失敗しそうなことは避ける。
安全なところにいる。
そうやって、自分を守ってきたわけです。
だから、新しいことをやろうとしたときに、
「やったら、どんな良いことがあるだろう?」
と考えるより先に、
「これをやったら、何が悪くなるだろう?」
と考えてしまう。
私は、これが人の持っている一つの生存戦略なんじゃないかなと思っています。
もちろん、それが悪いわけではありません。
危険を察知できるからこそ、自分を守ることができる。
経営者にとっても、慎重に考えることは必要です。
何でも「やってみればいい」という話ではありません。
ただ、その力が強くなりすぎると、
「失敗しないこと」が目的になってしまうことがあります。
そうなると、
「できるかもしれないからやってみる」
ではなく、
「失敗するかもしれないから、やめておこう」
になってしまう。
そして、やらない。
やらないから、当然、その結果は出ない。
でも、その結果が出ないことによって、
「やっぱり自分にはできない」
という思い込みが、さらに強くなってしまう。
これって、ちょっともったいないですよね。
私はコーチングの中で、こういう状態にあるクライアントと話すことがあります。
ただ、
「大丈夫ですよ」
「できますよ」
と励ますだけでは、なかなか変わらない。
それよりも、
「今までに、似たようなことをやったことはありませんか?」
と聞いてみる。
すると、
「あ……そういえば、昔こういうことをやったことがあります」
と出てくることがあります。
「そのときは、どうだったんですか?」
と聞くと、
「最初は全然できなかったんですけど、やっているうちにできるようになりました」
なんていう話が出てきたりする。
私は、こういう瞬間が結構好きなんです。
本人が忘れていたものが、ふっと出てくる。
普段は、そんな昔のことをわざわざ思い出しながら仕事をしているわけではありません。
今、目の前にある仕事をどうするか?
今日のお客様をどうするか?
今月の売上をどうするか?
そんなことを考えている。
だから、過去に自分が何を乗り越えてきたのかなんて、
普段はあまり考えません。
でも、コーチングの中で少し立ち止まって、
「今まで、どんなことをやってきましたか?」
と振り返ってみる。
すると、「あれもやった」
「そういえば、あのときも大変だった」
「でも、結局なんとかなったな」
ということが出てくる。
そうすると、
「あれ、自分って、意外といろいろやってきたんだな」
と気づく。
私は、これが「自信」の一つの始まりなんじゃないかなと思っています。
新しい自信を外から与えてもらうというより、
もともと自分の中にあった力を、もう一度思い出す。
過去にできたこと。
乗り越えてきたこと。
失敗したけれど、そこからやり直したこと。
その一つ一つを思い出していく。
すると、「今度も、もしかしたらできるかもしれない」
という気持ちが、少しずつ生まれてくる。
もちろん、一回のコーチングで、
「はい、自信満々になりました!」
とは、なかなかならないです。
私は、そんなに簡単なものではないと思っています。
一つ気づく。
また一つ思い出す。
そして、実際に小さな行動をしてみる。
「できた」という経験が増える。
また次の課題が出てくる。
そこで、また一緒に考える。
そうやって、少しずつなんだと思います。
だから、コーチングは一回受けたら自信がついて、
何でも一人でできるようになる、というものではない。
むしろ、セッションを重ねる中で、
「自分で考えられる」
「自分で選べる」
「自分で動ける」
という感覚を、少しずつ取り戻していく。
そして、最終的には、コーチがいなくても自分で進んでいける。
私は、そこがコーチングの一つのゴールなんじゃないかなと思っています。
コーチと一緒に考えたら答えが見つかるのではなく、
クライアント自身が、
「自分はこれでいい」
「自分なら、こうしてみよう」
と決められるようになる。
そのために、最初はコーチと一緒に考える。
過去の経験を思い出す。
自分の中にある力を見つける。
小さな行動をしてみる。
そして、「できた」を積み重ねる。
そうすると、最初は「失敗したらどうしよう」
としか考えられなかったものが、
「もしかしたら、やってみてもいいかもしれない」
に変わってくる。
その小さな変化が、やがて勇気になっていく。
私は、コーチングというのは、
自信をつけさせるものというより、
自分の中にあった自信を取り戻していくもの
なのかもしれないと思っています。
そして、その先に、
「もう、自分でやってみます」
と言える状態がある。
私は、そこまで行けたら、コーチとしてはちょっと嬉しいんですよね。
ずっとコーチが必要な状態ではなく、
「自分で考えて、自分で選んで、自分で進んでいける」。
そのために、コーチングの時間がある。
失敗を避けるために生きるのではなく、
失敗するかもしれないけれど、それでも自分で選んで進んでみる。
その勇気を少しずつ取り戻していく。
それも、コーチングでできることの一つなんじゃないかなと思っています。


