SNSの子育て情報に振り回されていませんか?―乳幼児期にこそ知っておきたい「発達の順序」

岩永リタ

岩永リタ

テーマ:子育てのコツ

SNSの子育て情報に振り回されていませんか?―乳幼児期にこそ知っておきたい「発達の順序」



InstagramをはじめとするSNSには、子育てに関する情報が数多く発信されています。

「0歳から取り組みたい知育遊び」

「1歳児におすすめの関わり方」

「自己肯定感を高める言葉がけ」

「子どもの能力を伸ばす家庭での習慣」

「子どもにおすすめのおもちゃ」


育児に熱心な保護者様にとって、こうした情報は魅力的に映ることでしょう。


実際、手軽に情報を得られることや、
同じ悩みを持つ保護者の経験を知ることができる点は、
SNSの大きな利点ですよね。


しかし、乳幼児教育に長年携わってきた立場から、

私は一つ気になっていることがあります。


それは、
個々の情報を断片的に取り入れることによって、
子どもの発達段階に合わない関わり方が生まれているのではないか、ということです。


私は、こうした状態を「子育て情報のつまみ食い」と捉えています。


個々の情報が正しくても、わが子に合うとは限らない



SNSで紹介されている育児方法が、すべて間違っているわけではありません。

むしろ、有益な情報が数多く存在します。


問題は、
その情報がどのような発達段階の子どもを想定しているのか、
十分に理解しないまま「我が子」に取り入れてしまうことです。


例えば、子どもの気持ちを言葉で表現させる関わり方は、言語発達を支えるうえで大切です。

しかし、まだ十分に自分の気持ちを言語化できない子どもに対して、
言葉での説明を繰り返し求めても、
期待するような反応が得られないことがあります。


また、自主性を育てたいという思いから
「何でも自分でさせよう」とする一方で、
失敗しそうになると大人が先回りして手を出してしまうことがありますね。


こうした関わり方も、子どもの発達を理解することで見直せる部分がおおいにあります。


保護者様は決して手を抜いているわけではありません。

むしろ、わが子の成長を願い、とても一生懸命に努力されています。

それにもかかわらず、子育てが思うように進まない。


その背景には、
方法そのものの問題だけでなく、
子どもの発達の流れを十分に理解できていないこと

があるのかもしれません。



乳幼児の発達には、一定の道筋がある



子どもの発達には個人差があります。

成長の速さや興味の対象、得意なことは、
一人ひとり異なっているものです。

その一方で、
運動、言語、認知、情緒、社会性といった発達の各領域には、
一定の順序や相互のつながりが見られます。


例えば、

0歳児は、
見る、聞く、触れる、口に入れて確かめる、身体を動かすといった感覚運動的な経験を通して、
周囲の世界を少しずつ理解し始めるという特徴があります。

身近な大人との関わりや
皮膚接触は安心感やコミュニケーションの発達を支える非常に大切な要素です。


1歳頃になると、
移動能力や手指の操作、言葉の理解などが広がり、
身の回りのものへの働きかけが一層活発になります。

歩けるようになるとさらに興味が広がり
「ダメ」と言いたくなるようなことをたくさんします。

また、

「自分でやりたい」という気持ちが現れる一方で、
まだまだ思いどおりにはできない場面も多く見られます。


大人から見ると困った行動に映ることも、
発達の途中にある子どもにとっては、
重要な経験である場合があります。


もちろん、こうした姿は年齢によって厳密に区切られるものではありません。


大切なのは、月齢や年齢を目安にしつつも、
目の前の子どもの姿をよく観察することです。



発達の順序を知らないと、子育ての努力が空回りすることも



長年、多くの母子と関わる中で、
私は
「子育てへの熱心さ」と「子どもの発達に合った関わり方」は、必ずしも一致しないのだなと感じてきました。

熱心であるからこそ、できるだけ早く多くのことを経験させたい。

熱心であるからこそ、人より先んじで何もかもできるようにならせたい。

新しい教育方法を知れば、すぐに取り入れてみたい。

他の子どもができていることを知れば、遅れをとったような気がして
わが子にもできるようになってほしいと無理をさせる。


そのような気持ちが強くなることもあるでしょう。


しかし、子どもには、一人一人その時期に育てている力があります。

次の発達につながる経験を十分に積むことが真の成長にとっては重要なこと。


大人の期待が先行しすぎると、まだ難しいことを求めてしまう場合がありますね。


逆に、失敗を避けさせたいという思いから、子ども自身が挑戦する機会を減らしてしまうこともあります。

このような行き違いを減らすためには、個別の育児テクニックを増やすこと以上に、

発達に関する基本的な理解が必要だと考えています。


発達を理解することは、保護者の安心にもつながる



子どもの発達を知ることには、もう一つ大切な意味があります。

それは、保護者自身が落ち着いて子どもを見られるようになることです。

よその子と比べて一喜一憂したり、基準を設けてわが子をマイナスに見たりすることがなくなるということです。


例えば、子どもが思いどおりに動いてくれないとき。

発達の知識がなければ、

「どうして言うことを聞いてくれないのだろう」

「私の接し方が悪いのだろうか」

「この子の性格が良くないのだろうか?」


と考えてしまうかもしれません。

しかし、年齢や発達段階によっては、
気持ちを切り替えることや、自分の欲求を調整することがまだ難しい場合があります。

それを理解していると、同じ行動を見ても受け止め方が変わります。

「今はこういう力を育てている途中なのだ」

と捉えることができれば、

子どもに求めることや、大人が手助けすべきことも見えてきます。


必要な生活習慣や社会的なルールを伝える際にも、

親が発達段階に応じた方法を選ぶことができますね。


発達の理解は、子どものためだけではなく、保護者が子育てに自信を持つための支えにもなるのです。



SNS時代だからこそ、情報を選ぶための「ものさし」を



今の時代、育児情報をまったく見ずに子育てをすることは、現実的ではないでしょう。

また、有益な情報を活用すること自体は、決して悪いことではありません。

大切なのは、情報に振り回されるのではなく、必要な情報を自分で選び取ることです。


そのために持っていただきたいのが、子どもの発達についての基本的な知識です。

「これは、どのような発達段階の子どもを想定しているのだろう」

「今のわが子には、どのような経験が必要なのだろう」

「この子が今、できるようになろうとしていることは何だろう」


そして、大事なことは

「誰の発信か」
ということです。


このような視点があれば、SNSの情報を受け取るときにも、冷静に判断しやすくなりますね。


そして、もう一つ忘れてほしくないことがあります。

それは、情報を集めること以上に、

目の前の子どもをよく観察することです。


子どもの表情、しぐさ、興味、挑戦する姿。


そうした日常の中にこそ、今の発達を知るための大切な手がかりがあります。

私は、
乳幼児教育に長年携わってきた者として、

子どもの能力を伸ばす方法だけではなく、

子どもの育ちを理解する視点を保護者の皆さまにお伝えしています。


子育てに必要なのは、情報の量ではなく、
正しく子どもの発達を理解し、今のわが子に必要な関わりを選ぶ力です。


子育てに一生懸命な保護者の皆さまにこそ、
このことを知っていただきたいと思っています。

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Mybestpro Members

岩永リタ
専門家

岩永リタ(幼児教育指導)

七田式・滋賀(栗東教室/びわ湖大津教室)

故七田眞氏「魂の教育」右脳教育法を長年実践研究。「心の子育て×右脳教育」を保護者様方に指導し子供のみならず母親のサポートにも注力。本質を突いた洞察力と植物療法士としての視点からのセラピーが得意

岩永リタプロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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