Q:お友達におもちゃを貸せません。うちの子は意地悪なんでしょうか?
■「できなくなった」背景に目を向ける
「自分で着替えていたのに、急に手伝ってほしがるようになった」
「楽しんでいたことを嫌がる」
「以前より泣いたり怒ったりすることが増えた」
「すぐにごねたりすねたりしてやりにくい」
「怒られるようなことをわざとする」
こうした変化があると、保護者の方は心配になります。
「できるはずなのに」「できてたはずなのに」
と、つい促したくなることもあるでしょう。
ただ、その姿を意欲やしつけの問題だけで捉える前に、子どもを取り巻く環境にも目を向けてみてください。
不安や戸惑いが、行動に表れている場合があります。
■子どもにとっての「変化」は、大人と同じとは限りません
転居、入園・入学、きょうだいの誕生、家族の病気、大切な存在との別れ。
ペットの病気、祖父母の入院。母の就労。
こうした出来事は、子どもの生活や気持ちに大きく影響することがあります。
一方で、
保護者が見過ごしやすい変化もあります。
例えば、
お気に入りのタオルの買い替えや、
おもちゃの紛失、部屋の模様替えなどです。
何を負担に感じるかには個人差がありますが、
大人が「些細なこと」と感じる出来事も、子どもには気になる場合があります。
また、変化が実際に起こる前でも、周囲の会話や準備、生活の慌ただしさから、
「何かが変わるんだ」と落ち着かなくなることがあります。
■言葉にならない気持ちが、行動に表れることも
幼い子どもは、自分の気持ちを整理して説明することがまだ難しいものです。
「これからどうなるのか心配」
「いつものように過ごしたい」
「もう少し一緒にいてほしい」
こうした思いを言葉にできず、泣く、怒る、すねる、甘える、わがままを言う、
これまでできていたことを大人にしてほしいと要求する、といった姿になることもあります。
ただし、行動だけで原因を決めつけないことも大切です。
睡眠不足や疲れ、体調、園や学校での出来事なども含めて見ていきましょう。
■家庭で大切にしたい二つの関わり
私が子育ての中で大切にしていただきたいのは、「気持ちを受け止めること」と「愛を伝えること」です。
一つ目は、子どもの気持ちに言葉を添えるて受け止めてあげること
「いつものタオルがよかったね」
「見つからなくて悲しいね」
「新しい場所に行くのが、ちょっと心配なのかな」
気持ちを断定せず、お子さんの言葉や反応を確かめながら関わります。
理由が分からない場合には、無理に聞き出さず、
ただ受け止めるところからで構いません。
二つ目は、大切に思っていることを具体的に伝えることです。
「大好きだよ」と言葉にする。
そばに座って話を聞く。
一緒に絵本を読む。
お子さんが望む触れ合いを持つ。つまり、抱っこや一緒に寝る、などです。
特別な物を用意しなくても、日常の関わりの中で伝えられることがあります。
■気持ちを受け止めることと、要求をかなえることは別です
例えば、おもちゃが見つからず怒って物を投げる場合、投げる行動は止める必要があります。
そのうえで、
「見つからなくて悔しかったね。一緒に探そう」
と、気持ちには寄り添うことができます。
また、変化が多い時期には、寝る前の読み聞かせなど、
無理なく続けられる「いつもの時間」を残すことも一つの支えになります。
小さな子はルーティーンが好きです。
いつもの順番、いつもの流れ、が心地よくて安心できるのです。
「一人でできるでしょ」
「前はできてたでしょ」
「何度言ったらわかるの?」
「いい加減にしてよ!」
と一喝する前に、子どもの不安を掻き立てている要素が生活の中にないかな?と
考えてみてください。


