心を辛くする「悪い思考」をやめてみる
今日は「精神疾患を抱えた人たち」の話をします。
カウンセリングルームにも、精神科に通いながらカウンセリングにいらっしゃる方もいます。働くことも出来ない方もいます。その際「将来を考えて働きたい」とか「いずれは自分のように苦しんでいる方たちの役に立つようにカウンセラーになりたい」とか希望をお話しされる方もいます。そんな時私は「今出来ることから始めましょう」と言います。症状改善が第一です。焦らず無理せず出来ることから一歩ずつです。
統合失調症の方の場合は、カウンセリングが症状を悪化させてしまうのでお断りする事もあるのですが、たいていは「自分の居場所がない方」たちのような気がします。病気によっては精神科に通っている事が分かるとまわりの見る目が変わったり、一番身近な家族さえも現実と向き合えずに背を向けてしまう事も少なくありません。家と病院の往復だけ、社会とのかかわりが出来ず孤独を抱えている事を思うと胸が苦しくなります。
そんな方たちが集える場所もあるようですが、圧倒的に少ないのが現状です。
ご家族の方も、こうなってしまったのは「自分の責任じゃないのか」と責めてしまう事もあります。
でも、漠然とした不安や心配はストレスを大きくしてしまいます。ならばちゃんと病気と向き合う強さを持って欲しいのです。ご家族がどんな病気なのか「嫌だ、受け入れられない」「こんな状況から逃げ出したい」「何でこんなことに」そう思う前にきちんと病気について理解して欲しいのです。
理解できると具体的に「こうすればよい」「これは良くない」と、自分が出来る役割も見えてきます。病気と向き合う覚悟も出来ると思います。気を付けて欲しいのは、一進一退を繰り返してしまう事も多いので、気持ちを入れすぎて振り回されない事です。良くなれば希望を持ち、嬉しくなることが当たり前ですが、また少し逆戻りすると希望を持った分、落胆が激しくなります。
それを繰り返すと心に大きなストレスになります。「良くなったり悪くなったり」の繰り返しで、「ほんの少しずつでも改善されていけばいい」と思うようにしてください。「やっぱり駄目だ」と決めつけないでください。
辛いのはご本人、そしてそれを近くで見る家族も一緒です。心の病気は長引くことも多いので、焦らずゆっくり少しずつ改善できることをあきらめずに信じてください。
そしてもし心の病気を疑ったら、早めにストレスのもとを遠ざけたり、専門家を訪ねてください。
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