ポジティブ思考の落とし穴

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:生きづらさを感じる時

「やっぱりネガティブ思考は良くないから、いつもポジティブ思考でいかなくちゃあ」そう思って自分の気持ちを隠して、無理に前向きに明るくしてはいませんか?もちろんプラス思考は大切で、心からそう思っているのならそれは素晴らしい事です。でも、ネガティブな感情への恐れ、「ネガティブな考えをしてはいけないんだ」と無理やり自分に言い聞かせて、本当の感情を押し込めていては辛くなってしまいます。

「ありのままの自分」を受け入れて、「ネガティブな感情と、どう向き合うか」が大切です。「ネガティブな感情は持っていけないもの」として自分を抑え、人にそんな自分を知られまいと頑張り続ければストレスがどんどん溜まります。そして、否定すればするほど、その感情は長くとどまってしまいます。

「自分は今、こんな気持ちなんだなあ」と嫉妬や不安、憎しみ、怒り、悲しみ、喪失感、どんな感情でも一応受け入れてしまいましょう。そのうえで「どうしようか」と考えてみてください。

もし、もやもやして自分の感情がよく分からない時には、事細かにその時の出来事、それが自分にどんな影響を与えているか書き出してみましょう。これは自分の気持ちをを整理するのに役立ちます。

そして、そのネガティブな思考の修正を行いましょう。すぐ物事を悪い方向に考えてしまう場合は「事実だけを見る」、褒められたら「言われた言葉を素直に受け取り、裏読みをしない」(自分に厳しい評価をしがちな人も多いので、そのまま受け取る習慣を身につけましょう)

誤解されやすい人は、「嫌われている」と思うより「誤解される言い方をしていないかチェックして、正確に伝わる話し方を考えましょう」「いつも自分は駄目だ」というマイナスな考えが浮かんだら「過去と今を一緒にするのをやめましょう」過去は過去、未来が同じになるとは限りません。

悲観的な考えや批判的な考え「嫌な自分」も人間ですからあって当然です。一見「ポジティブ思考にすることで、同じ事」と思われるかもしれませんが、嫌な感情を見ないようにするのと、受け入れて修正していくのとでは心に与える影響は大きく違ってしまいます。

ポジティブ思考にならなければと思うあまり、自分の気持ちを無視するのではなく、自分の気持ちを大切に修正をする癖が身につくと、いつの間にか辛いと思う事が減っていきます。

考え方の癖は直せます。自分の癖を知って、受け取り方を変えていく事を繰り返すと、いつの間にか楽な自分になっています。もちろん、今まで何度も書いていますが、出来ない自分が居ても「駄目だ」と責めないでください。「今回は駄目だったけど、次回は気を付けよう」と思うだけにしてください。


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