トラウマを終わったことにする方法

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:生きづらさを感じる時

今日は前回のコラムの続きトラウマの話をします。トラウマを過去の事として「終わったことにする方法」です。

イメージしてください。
1.体験した出来事を映画館のスクリーンの中に映し出すイメージです。スクリーンの中に自分も必ず登場させてください。
2.映画館の一番後ろの席で、今のあなたがそれを見ています。
3.そのスクリーンの出来事を見ながら「この体験は昔の事。今の自分じゃない。これは終わった事だ」とつぶやきましょう。
4.「あれはもう、過去の事だ」と映画が終わり、席を立ち、映画館を出て行きます。

 辛く苦しくなったら途中でやめてください。スクリーンを小さくすると大丈夫な場合もありますので試してください。
これは脳の働きを利用して心に「もう終わった事だ」と理解させる方法です。初めからうまくはいかないかもしれませんが、繰り返し行うことで、今のつらい気持ちを過去のものとして終わらせることができる方法です。


今日は東北で起きた震災5年目の日ですが、私は20代半ばで両親を立て続けに亡くしました。大切な人が突然居なくなる悲しみは理解できます。亡くしてから1年位は父の苦しそうな顔、母の出棺の時のシーン、泣いてすがりたい気持ちを「かわいそうに」と思われたくなくて涙をこらえたためか、1年位フラッシュバックで苦しんだ経験もあります。

「亡くなった人には何もできない」と言う人もいますが、私はそうは思いません。両親だけではなく、大切な人たち、かわいがったペット達、亡くなって目の前から居なくなってしまって寂しいですが、「その時々で思い出す事」「大切な人たちに恥ずかしくない生き方をする事」「心の中にいるその人たちと生きる事」が残された私たちに出来る事だと思います。
 
つらい出来事を「忘れたい。忘れよう」と無理に思う必要はありません。それを強く意識することで、それにとらわれて前に進めなくなってしまいます。つらい経験から得たもの、誰かのために生きる、人の役に立つ、小さくてもいいから希望を持つ、何でも構いません。

「生きる理由」を見つけて、少しでも前に歩き出して欲しいと思います。少しでも前に進めば、また「生きる力」が出てきます。

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飯塚和美
専門家

飯塚和美(心理カウンセラー)

カウンセリングルーム『大空』

電話相談含め8,000千人のカウンセリング実績。幼い頃からしみついた考え方の癖や枠を取り除き、生きづらさを解消します。リピーターが多く講座を含め日常で壁にぶつかると訪れたくなる、親しみやすさが好評

飯塚和美プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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