パソコンが突然故障?修理か買替えかをどう判断したらいいのか、サポートエンジニア的方法と考え方

古賀竜一

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テーマ:専門家からの提言と考察

パソコンの故障は突然やってくる

●パソコンの故障は突然やってくるもの。安くなったとはいえまだ5万~十数万円するパソコン。いきなり買い替えろと言われても「はい、そうですね」というわけにはいかないこともあります。

●特に大切なデータなどが入っていた場合、気が動転してしまう方も多いと思います。その次に一番気になるのは修理費用だと思います。

●想定外の出費となるだけに頭の痛い問題となるのは仕方が無いところですが、故障の程度や修理金額によっては買い替えも想定しておかなけらばならなくなります。それよりもデータやインストールしたアプリケーション環境が心配になる方もいるでしょう。

●今時のパソコンは新品でも3~4万円と言う物も出てきていますので、修理代が仮に3万円以上かかるということになれば修理するにはちょっと考えてしまう金額です。

●そういった場合、修理が良いのか買替えが良いのか判断に迷うことになります。金額ではなくPCの古さや新しさによる判断、またはアプリやシステムの状態を今のまま保全することを最優先したいという場合もあります。今回はパソコンの修理または買替えをどのように判断したほうがいいのかを、これまでの現場でのサポート実態を元に述べてみたいと思います。


1.購入後の年数や年式で判断する

●パソコンは各メーカーに部品保有年数と言うものがあります。おおよそ5~7年が設定されているようです。つまりそれがメーカー修理が対応可能な年数ということにもなります。レアケースでは早期にパーツが枯渇した場合、保有年数に関わらず修理不能とされることもあります。

●逆に、メーカーでは部品の保有年数を過ぎた部品在庫を市場に放出する場合もあります。年数が経っていても通販のパーツ屋さんなどでそういった部品が手に入ることもあります。メーカー修理でなくパソコン修理専門店などに依頼すると、部品が入手できれば修理対応が可能な場合もあります。

●いずれにしても、部品保有年数を超えているようなものは基本的には修理ができないと思っておいたほうが良いでしょう。メーカーに修理に出したけど修理不能で返ってきた場合は買い替えが現実的です。

●新品購入後2~3年で起きたパソコンの故障の場合は、「元を取ってない」ので買替えという判断にはまだ早く非常に不経済です。部品も保有年数内なのでメーカーにありますから修理のほうが得策な場合も。

●しかし、購入後2~3年とはいっても中古で購入したという場合、話は別です。サポートの依頼の際に「購入後どのくらい経ちますか?」と尋ねると、「3年です」といわれる場合があります。しかし、型番を伺って検索をかけてみるとどうもおかしい。それでよく聞いてみると3年前に中古で購入したとのこと。

●確かに購入後3年に間違いはありませんが、5年落ちの中古パソコンを3年使ったら発売から8年経過していることになります。これは自動車の中古車と同じような状況ですね。

2.修理見積の金額で判断する

●修理か買替えるかの判断として予算重視があります。単に修理費用が安ければ修理を選択、高ければ買替えと言う判断です。


●以下URLは各PCメーカーの概算修理見積です。※注意:メーカーによっては診断見積料などがかかる場合があります。事前に料金システムなどをよく確かめてから依頼するようにしてください。

VAIO(旧SONY)の修理費用の目安
 http://www.sintaku.org/meyasu_VAIO_09.pdf

NECの修理費用の目安
 https://support.nec-lavie.jp/navigate/support/repair/guide/expense/index.html

dynabook(旧東芝)の修理費用の目安
 http://dynabook.com/assistpc/repaircenter/re_list.htm

富士通の修理費用の目安
 https://azby.fmworld.net/support/repair/syuribin/charge.html

Lenovo(旧IBM)の修理費用の目安
 https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/hf000982

HPの修理費用の目安
 https://support.hp.com/jp-ja/document/c01770720

●その価格の線引きはそれぞれの判断によるかと思いますが、3万円前後なら修理、それ以上は買換えという決め方もある一方で、2万円程度でももったいない、その費用を新しいパソコン購入に回した方が良い・・という考えもあります。

●個々の経済状況にもよりますが、少なくとも新品購入後3年以内のパソコン故障の場合、2~3万円の修理代ならその価値はあると思います。新しく買うといってもやはり5~10万円以上はしますからそのような判断がベストです。

●7~10年近く経過しているパソコンの場合は修理費で3万円以上かけると不経済です。パソコンの寿命は10年以内ですから寿命に迫ったパソコンにお金をかけるのはもったいないですね。その分を新しいパソコンの購入資金に充てたほうがメリットは大きいでしょう。


3.古くても慣れや愛着、ソフトの関係で継続利用したい

●前述でパソコンが古い場合、高額な修理代はもったいないと言いました。でも、そのパソコン自体に慣れているとか愛着がある、データやインストール済みのソフトウェア環境をどうしても使いたいので保全したいと言うユーザーも多いでしょう。そういう場合、修理代が高くても買替ではなく修理が唯一の選択肢になります。

●そうなるとやはり問題は部品ですが、入手できない場合は中古部品などでレストアしながら使っていくことになります。しかし、データのみ必要でパソコンやアプリケーションは古いのであきらめたいという場合は修理せず、データ復旧のみ見積りを依頼してパソコンは修理せず廃棄するという判断が良いでしょう。

●メーカーではそのような対応はしていませんので、近くのパソコン修理屋さんに相談すれば何とかしてくれると思います。しかし、どうしても部品がなかったり修理見積りがあまりに高額なら修理を断念して買換えが現実的かもしれません。

●どうしても使いたいソフトウェアをインストールしているけど、元ディスクを失念しているので新しいパソコンでは使えなくなってしまうから買い替えられない・・という方も多いでしょう。慣れている古いソフトウェアを使っているけど新しいバージョンのWindowsには対応してないので、仕方なく古いWindowsパソコンを生かし続けている・・というユーザーも多いようです。

●そんな場合、多少高額になってもそのパソコンをそのまま使いたいといことで修理を依頼されることがあります。ワープロ専門の修理屋さんがテレビなどで話題になりますが似たようなことはパソコンでも起きています。

修理代が高いか安いかは人によって感じ方が違う

●パソコンの利用の仕方は人それぞれです。ですから修理金額の判断も状況に応じて人それぞれとなるでしょう。ということは修理代が高いのか安いのかは、パソコンが直ることでその人が感じる満足度や幸福度がどの程度なのかということで評価されることもあるといって良いでしょう。ですから、パソコンサポートや修理代の金額評価は他人の意見はほとんどあてにならないと思ってください。

●単に金額なのか、年式を考えた判断なのか、現状を保全したいのかなど、判断の優先事項を自分の中で決めると満足のいく解決ができると思います。判断を迷うようでしたらどの部分を優先して考えるかということで決断をすればすっきりします。

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ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

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