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Windows10の中古パソコン・モバイルPCはWindows11に非対応でも売っている

2021年6月28日 公開 / 2023年8月19日更新

テーマ:Windows10の情報

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: パソコントラブルITマネジメントインターネットセキュリティ

あとからWindows11にアップグレードという考え

●Windows11は以前のコラムでも取り上げた通り、システム要件が非常に厳しくなっています。ところが中古パソコン市場やモバイルPC市場でWindows11がインストールされた非対応のパソコンが広く出回っています。また、ネットの情報にあるような裏技を使ってWindows10からアップグレードを行う人も多いようです。

●そのようなパソコンを購入したり、インストールすることは果たしてどうなのでしょうか?Microsoftの公式アナウンスでも非対応のパソコンにWindows11をインストールすることは推奨されないとはっきり記されています。

●そこで、とりあえず格安で売っている新しめのWindows10のパソコンを購入し、あとから11にアップグレードすれば良いのではないか?と思うかもしれません。しかし、その考えには大きな落とし穴があります。

中古だけでなく新品でも格安な廉価版PCに注意



●Windows11導入で特にネックになっているのがTPM2.0というセキュリティーに関係した要件です。割と最近の新しいパソコンでもTPM2.0対応がないというWindows10の廉価版PCがあります。またモバイルPCの中には新しいモデルでもCPUがWindows11に対応しないものもあります。そのようなパソコンを購入してしまうと、もちろんWindows11にアップグレードできません。

●ストレージ容量もeMMCで32~64GBという格安PCも出回っています。こういったものについてもアップグレードができなかったり難儀することになったりします。32GBというのは論外として、システム要件である64GBが果たして仕様やカタログスペックの64GBでも容量を満たしているかは非常に微妙です。その点も購入時には要注意です。できれば128GB以上であれば大丈夫ですが、今時128GBのメインストレージというのは実用的ではありません。せめて240GB以上の容量が必要です。

●Windows10のサポート期限は2025年10月ということで2023年現在では残りはあと2年程度になります。Windows11非対応のWindows10の中古パソコンや廉価版PCを購入する場合、あらかじめそのことを考慮に入れておく必要があります。

●公式情報ではWindows11のCPU要件としてCore iシリーズ第8世代以上で対応となっています。このためCore iシリーズの第7世代以下の中古パソコンはWindows11に対応せず、2023年現在でそのような仕様のWindows10の中古PCを購入すると余命はサポート終了までのあと2年間ということになります。

●Windows10の中古パソコンでWindows11非対応であっても、あと2年間使えればそれでいいということで購入する需要もあるでしょう。しかし、新規PCで対応外のPCを購入してしまうと、アップグレードできない場合は新品でも2年の寿命ということになります。そういうことを考えずに価格で衝動買いすると後で後悔する可能性があります。今後のパソコン購入は慎重に計画してください。

●格安PCにはそういったWindows11非対応のものが出回っている可能性が高くなりますので、購入時のチェックを怠らないようにしましょう。

Windows11対応PCであってもBIOS設定に注意

●Windows11に対応していることがはっきり確認できている格安のWindows10のパソコンを見つけられたらラッキーかもしれません。ところが、あとで簡単に11にアップグレードできると見込んでいると思わぬ事態になることがあります。

●表記や説明でWindows11対応であることを確認できていても、出荷時や引き渡し時にアップグレードに必要な設定が有効化されていないようなWindows10のパソコンが存在するのです。

●Windows10ならBIOSでセキュアブートが無効であったり、TPMが無効になっていても動作可能です。特に法人モデルのようにOSを選択可能なセレクタブルOSのPCの場合、Windows10で使用されていた中古PCでは、BIOS設定でWindows11導入に必要な設定が無効化されているケースがあります。

●例えば、BIOSのモードがレガシーモードになっている場合、UEFIにする必要があるのですが、OSが起動できなくなることがあります。そうなればアップグレードどころの話ではなくWindows10自体が起動しなくなってしまいます。

Windows11アップグレードの落とし穴

●セレクタブルOSではWindows10と11どちらでも選択は可能ですが、アップグレードに必要なBIOS設定が初めからされていないとあとからWindows11にアップグレードできません。

●そのようなものを購入してしまうと自身で設定する必要があるだけでなく、Windowsの再インストールが必要な場合も出てきてしまいます。10から11にすんなりとアップグレードできると見込んでいた場合は大きな問題に直面してしまいます。


※Intelチップセット 7シリーズのBIOS。UEFIには対応しているがTPM2.0には対応していない。

●販売する側が単に売るだけの業者で技術的なサポートができなかったり、BIOS設定は対応外としてしまうような業者が出てくるかもしれません。Windows11対応というアピールで販売されていたとしても、Windows10上でアップグレードのシステム要件をすべて満たしているという診断結果が得られていないパソコンには注意が必要です。

この記事を書いたプロ

古賀竜一

コンピューターサポートのプロ

古賀竜一(九州インターワークス)

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