熱くなるパソコン、タブレット、スマホを効果的に冷やして暑さから守る方法

古賀竜一

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テーマ:機器と端末の管理と保守

過酷さを増す近年の夏の暑さ。それは機器にとっても「危機」です。

●最近の夏の暑さは本当に異常とも思えるほどで、日中の屋外に長時間いることが本気で危険に感じる位です。

●パソコン、スマホ、タブレットもコンピュータである以上熱には弱く、当然夏の暑さに対しても注意が必要です。しかし、生活必需品となった今では暑いからといって利用を止めてしまうわけにもいきません。

●冷房が効いた部屋で使うというのが一番理想的なのは間違いないですが、環境や使用状況によってはなかなかそうはいかない場面もあるかと思います。

●そんな場合まず気をつけたいのが熱対策です。できるだけ熱を出さない、出しても効率よく放熱させるということが最大の対応策です。

●そこで今回は熱くなりやすいIT端末を使う場合、暑い夏をどう乗り切れば良いのか、暑さから守る方法をいくつかご紹介します。

パソコンを暑さから守る

●パソコンには、CPUや内部回路を冷却するための冷却ファンと金属製の放熱器「ヒートシンク」が内蔵されています。熱くなった部品をその「ヒートシンクファン」で強制的に空気冷却するような仕組みになっています。

●できるだけそのヒートシンクファンが効率よく熱を排出できるようにするために注意しなければいけません。

●特にノートパソコンではファンが効率よく吸排気できるようにパソコンの底面と側面に空間を設けることが大事です。要するにパソコンを卓上から少し浮かして置くとか、パソコン周辺にものを置いたりせず周囲10センチ以内に何もないことが放熱対策に有効に作用します。

●できるだけ、ノートパソコン専用の冷却台を使用したり、USBの配線や周辺機器をパソコン本体から離すことで冷却効率が改善されます。

●デスクトップパソコンでも同様で本体の上や周囲にものを置いたり載せたりしないこと。特に本体のメッシュ状の開口部分、要するに通気口を書類や本などでふさがないようにすることが必要です。パソコン本体が本立てや書類立てになってしまっている場合はすぐにやめましょう。

●給排気口がふさがって冷却が上手くいかなくなると、排熱が追いつかなくなってしまいます。そのような状態で夏に冷房がない環境で使用するとパソコン内部は相当な高温になり最悪の場合、保護回路が働いて電源が落ちたりその後起動できなくなったりします。

●ですからパソコン本体の周りには余計なものを置かずに、できる限りの空間を設けましょう。


※ノートパソコン側面の排気口。 この周囲には物を置かないことが効率良い排熱につながる。内部に見えている縦に並ぶの薄いアルミ板がヒートシンク。内部の熱をファンからの送風で放熱する。

●しかたなくエアコンが無い環境で使う必要がある場合、できることならパソコン本体自体に送風できる状況を作りましょう。窓を開けて風が当たるようにしたり、扇風機の風を当てたりすることでも随分違ってきます。できるだけ風通しの良い場所で作業をすることで少しでも放熱を促すようにしましょう。

●USB扇風機やUSBファン付き冷却台と言うものもあるようですが、電源をパソコンへ依存するとバッテリー充電や基板の負荷が逆に発熱の原因になってしまい、本末転倒になります。また寿命の点から考えるとあまり得策とはいえません。扇風機類はできるだけコンセント電源のものを使うようにしましょう。

スマホ・タブレットを暑さから守る

●スマホ・タブレットの場合、暑さで問題なるのは本体へのダメージです。この時期の日中、炎天下の車中などに放置していた場合は触れない位の温度に上がってしまいます。これは、「ちょっと車に置き忘れた・・・」と言うレベルの話ではなく、「とんでもないことをやってしまった・・」位の認識が必要な状況なんです。


※今8月2日午後5時の車内温度。窓を少し開けていてもこの時間でまだこれだけ暑い!

●高温下では、バッテリーへのダメージも加速してしまいますし、熱くなった状態でそのまま稼動させることは内部回路へのダメージにもつながりかねません。

●以前、保険セールスの方が炎天下の車中に放置したタブレットパソコンを取りに行き、すぐに戻ってきて目の前でスイッチを入れたら、途端に青い画面の保護エラーが出たことが実際にあります。

●そうかといっていきなり冷蔵庫へ放り込んだり、エアコンの吹き出し口に直接当てるというのも問題です。極端な温度変化は結露が発生したり部品が収縮してひずみが起きるなど機器にとっては良いことではありません。

●扇風機などでゆっくりと冷ましてから使用を始める必要があります。ちょっとつらいですが扇子やうちわで扇いだだけでも効果は高いでしょう。


●スマホ、タブレットにはパソコンのような冷却用のファンなどは内蔵されていません。主要回路の放熱のために本体内部の金属フレームや筐体を利用している場合があります。そのため本体に直接風を送るだけでも放熱は促進されます。風通しのいいところで使う・・ということだけかもしれませんがそれでも随分違いますので、できるだけ放熱に留意しながら使用しましょう。

●アルミやスチール製の缶などがあれば、その上に置くだけでも放熱ができます。「チロリアン」や「もち吉」などお菓子の金属製空缶があればその上に載せておくだけでも効果的です。使いすぎて熱くなった場合や充電する際にそのような金属製のものの上に置いておけばかなり放熱が促進されます。その際はスマホのカバーを外しておいたほうが効果が高くなります。


●逆にやってはいけないのが、熱くなったスマホなどを衣服のポケットの中やバッグの中、布団、カーペットの上に置くことです。放熱しにくくなってずっと熱を持ったままの状態になってしまいます。できるだけ風通しの良いところに置くように注意しましょう。

●また、真夏の外気温のもとで酷使すれば本体の発熱自体も相当なものになります。無理な負荷を掛けないよう、ゲームなど高負荷のアプリ使用を控えたり、一定の間隔で休ませながら使うなど工夫することでトラブルやダメージが少なくなります。

九州インターワークス 注目のページ
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm

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古賀竜一(システムエンジニア)

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ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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