買ったパソコンにワード、エクセルがない!そんな時は安全無料の「LibreOffice」が代わりになります

古賀竜一

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テーマ:知って得するITノウハウ


ワード、エクセルがないパソコンを買ってしまった!

●中古PCだけでなく、最近では格安の新品パソコンにもMicrosoft Office(Word,Excel)が付属していないものがあります。パソコンを安く買えた!と何も知らずに喜んでいたらワードもエクセルも入っていなかった・・・と落胆されている諸氏も多いのではないかと思います。

●そもそも買ったときにパソコンにはじめから入っているものではないのか?という誤解が多いのですが、それというのもこれまで長い間、新品のメーカー製パソコンにはMS Officeが付属していて、あらかじめ導入された状態で販売してきたという経緯があるためです。そのおかげでWindowsの機能の一部だという誤解が未だにあるようで、こういった悲劇が起きる要因になっています。

●実際、Windowsの標準機能としてOfficeが入っているというわけではありません。同じMicrosoft製ですが本来は別のソフトウェアです。ワード、エクセル、パワーポイントはWindowsに付属のソフトウェアというわけではないのです。ですから最近販売されているPCにはワード、エクセルを使わないニーズにあわせてOfficeの付属をなくし、その分価格を下げて購入しやすくしているものもあるのです。

●安いPCと言うのはそれなりの理由というものがあります。パソコン購入の際は性能だけでなく付属ソフトの有無をよく確かめる必要があります。

●また、中古PCの多くはMS Officeがインストールされていません。Officeのライセンスを付属するとライセンス料金で販売価格が上がり、中古の価格的魅力を損ねてしまうためです。それだけMS Officeのライセンス料金は高額といえます。

●中にはOffice付属と表示している中古パソコンや格安パソコンは、本物のMicrosoft Officeではなく名前こそOfficeが付いていてもまったく別の互換ソフトですから注意が必要。

●では、MS Officeが入っていないPCを購入したり入手してしまった場合はどうすることもできないのでしょうか? ネット通販ではOfficeのパッケージ版(リテール版)というものが販売されてはいますし、Microsoft公式ショップでダウンロード版を購入する方法もありますが、思ったほど安くはありません。中古パソコンがもう一台買えるくらいの価格です。

●そこで、無料で使えるオープンソースソフトウェアの「LibreOffice」(リブレオフィス)の出番です。



これでいいじゃないか!と思わせる程の出来。もうこれで大丈夫

●オープンソースソフトウェアのLibreOfficeは、MS Office互換ソフトとして様々なところで利用が進んでいます。地方自治体や大学、各種団体でも利用が拡大していて、個人でも利用する人が増えてきています。

●こんな記事もあります。

「Microsoft Office」から「LibreOffice」へ--円滑な移行のための10カ条
https://japan.zdnet.com/article/35055797/

●GPLのオープンソースソフトウェアのため、無料でだれでも入手と導入が可能で、台数に制限なくパソコンにインストールすることができます。プロダクトキーも必要ありません。

●一応MS Officeとの互換性を追求していますので簡単に作成したエクセル、ワード文章ならそのまま開くことが可能です。多少レイアウトなどが互換しないことがありますが修正すれば何とかなる程度の場合が多く、全く無いよりずっと便利です。

●保存形式も、MS Office形式(xls,xlsx,doc,docx,ppt,pptx)などで保存が可能。そのままPDF文書にも変換が可能です。LibreDraw ではワードやエクセルなどで出力したPDFの編集も可能です。

●特に、作成したファイルそのものを外部とやり取りをしない使用環境の場合、自己完結使用ならば利便性はMS Officeとほぼ変わりないと思います。


※LibreDrawで作成したチラシ。画像はドラッグアンドドロップで 貼り付けが可能。PDFとして出力、保存もできる。


現在の最新バージョンは7.0です。クリックで拡大

※左がExcel2013で開いた文書、右が同じ文書を LibreOfice Calc(表計算)で開いたもの。 ほぼ同等の表示となる。xlsxでの保存も可能。 PDF出力、保存もOK。

●町内会の文書作成や自分だけが利用する表計算データ、原稿用紙モードで原稿作り、LibreDrawではポスターやチラシ作りなどに威力を発揮すると思います。

●これだけのものが無料で使えるとは驚くべきものがあります。最近出回っている無料の怪しいソフト類とは出処も品質も全く別ものです。世界中の有志によって常に開発とメンテナンスがされていて安全で安心して利用することが出来ます。寄付なども可能ですので、良いと思ったら私たちが支援をすることができます。

●LibreOffice ダウンロードURL
https://ja.libreoffice.org/download/download/

※寄付を促す表示が出ますが、無償で利用できます。最新バージョンの一つ前のバージョンも併記されています。できれば一つ前の安定版を推奨します。

LibreOfficeを使っている団体
https://ja.libreoffice.org/discover/who-uses-libreoffice/

私たちは誰?
https://ja.libreoffice.org/about-us/who-are-we/

●インストールした標準の状態ではアイコンスタイルがシンプルなものになっているため見やすいスタイルに変更しておきます。メニューの「ツール」から「オプション」を選択、左メニューの「LibreOffice」の「表示」を開く。「アイコンスタイル」を「Elementary」に変更して下の「適用」をするとメニュー表示が見やすくなります。あとは好みの問題ですので、いろいろと試して自分に合うスタイルを見つけてください。

●また、MS Officeのようにリボン形式のメニューが良い場合は、メニューの「表示」から「ユーザーインターフェース」を開き「タブ」を選択します。WriterやDraw、Calkなどすべてに適用したい場合は「すべてに適用」をするとソフトウェア全体がタブ化されます。

●儲かってしょうがない今時の大企業には無縁の話かもしれませんが、不況とコストと闘っている中小零細企業、個人事業者には強力な味方になるものだと思います。

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古賀竜一(システムエンジニア)

九州インターワークス

ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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