充電式バッテリーを内蔵したデバイスや機器の正しい使い方と寿命を延ばす5つの方法
パソコンの健康状態がわかるビープ音
●パソコンから出る音は前回のコラムにあるようなパーツや機械的な部分からだけではありません。
●パソコンのメインボードの制御プログラム(BIOS)は電源投入時にハードウェア的な機能チェックをします。デスクトップパソコンの電源を入れた際にピッとかプッとかいう音が出るのはそのチェック音です。パソコンのメインボードには小さなスピーカーが付いていて、状態をブザー音で知らせる仕組みになっています。異常があればその内容をブザー音の回数や長さで判断できるようにしています。この音を「ビープ音」と言います。
●異常が無ければビープ音は"ピッ"とか"プッ"などの単音ひとつとなっていて、その意味はメインボードが正常ということです。しかし、異常がある場合は複数回の音や断続的な音、または連続で鳴りっぱなしの音など、異常の種類に応じて鳴る回数などが設定されていて、その音の鳴り方で異常内容や異常個所がある程度判断できるようになってます。
※デスクトップメインボードの基板上BIOS用スピーカー
※ノート用内蔵スピーカー
●異常かどうかの判断方法はメインボードのBIOSの種類によって異なります。取説を頼りにBIOS画面に入ってまずBIOSの種類を調べます。または取説にビープ音の記載があれば参照します。該当する音の鳴り方で異常個所を特定し、対策をします。
●パソコンのメーカー名、型式などから「ビープ音」と検索をかけても良いでしょう。参考になる情報が見つかるかもしれません。
●このようにパソコンから出てくるビープ音には意味があります。ただ闇雲に鳴っているわけではありません。
●もし、短音以外のビープ音が出たら何らかの異常が発生しているのは間違いありません。直ちに各機能のチェックを行った方が良いでしょう。詳しいことがわからない場合は深追いをせず、専門家に相談してください。
●ビープ音が鳴るということはハードウェア的なトラブルの可能性が高いので、ストレージデバイスが巻き込まれてデータが出てこなくなる前に適切に対処しましょう。
その他、異常発振で出る音は放置すると危険
●その他に、パソコンから高周波のようなキーンという音やジーッという音などが連続で出ている場合があります。耳を澄まさないと聞こえるか聞こえないか程度であれは問題のない通常の作動音です。しかし、部屋の端からでも聞こえるというレベルで発生している場合は異常発振の可能性があります。
●異常発振とは回路や素子に問題が発生して異常な振動を起こすことです。このトラブルはパソコンの挙動にも影響があるだけでなく、異常発熱の原因にもなります。程度などによっては発煙や発火する場合もあります。
●異常発振が起きる原因は様々ですが、回路の欠陥、故障、劣化、経年変化などで起こることがあります。特に電源ユニットやACアダプタ、液晶モニタでこの種の音が大きく聞こえる場合は直ちに使用を控えた方が良いかもしれません。
※電源関係機材から出る大きな発振音は異常なだけでなく危険。
●異常発振音が出た場合は専門家に調べてもらいましょう。
●長年ITサポートを行っている中で私が一番驚いた音は、近くで電解コンデンサが破裂した音です。たまたま、修理持込みのパソコンに劣化したコンデンサがあったらしく、カバーを外していたこともあり、耳元で豪快に「パーーーーンッ!」とはじけました。心臓バクバクでひっくり返るかと思うほど驚きました。まるでクラッカーを近くで鳴らしたような音でした。経験上、音の種類から事態はすぐに飲み込めましたのでパニックにはなりませんでした。
●パソコンと音というテーマでこれまで3回に渡り解説してきました。人間は動物の中でも音やにおい、明るさなどに対する感受性がトータルバランスで優れているそうです。五感で捉える事が出来る感覚をフル動員すれば、文明化で失われつつある野生の本能を呼びさまし、パソコンのトラブルまでも未然に防ぐ事が可能かもしれません。
●パソコンという文明の象徴のようなものが人間の感覚によってコントロールされるという理想的な構図にもなるだけに、たかが音だと軽視せずフル活用で役立てましょう。
●五感を磨いたらその次は、第六感を磨くと今度は私のようにパソコンが透けて見えるように?なりますので是非頑張ってみてください。
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