「木造住宅」の3つの弱点-【基礎】
「住友林業」が、2041年に「木造」による高さ350mの超高層ビル建設を目指す構想「W350計画」をまとめたと報じています。
高さを追求するだけでなく、多様な生物の住処となるような街「環境木化都市」を目指すとしています。
昨年、資本提携を結んだ「熊谷組」も協力するようで、高い目標にチャレンジする中で技術革新やコスト低減を進めると 同時に、国などに法制度の整備を働きかける狙いもあるといいます。
現在の構想としては、東京都心の「丸の内」エリアに地上70階建てのビルを建てることを想定しているようです。
計画では、内部が純「木造」の「木鋼ハイブリッド構造」で、木材を18万5000㎥使用し、「鉄骨造」に比べて新築時に22%の二酸化炭素(CO2)排出量を抑えられるとしています。
今後、十分な「耐震性能」「耐火性能」を持たせるための研究を進める予定で、すでに「3時間耐火」部材の開発に着手したといいます。
「木」だけで燃え止まらせる技術を確立し、「木造」は火災に弱いという懸念を拭い去り、強靱で均質な樹種も開発する予定とか。
総工費は「鉄骨造」と比べ約2倍となる約6000億円と試算。
「日本」の法制度で建てられる「木造」建築は、「2時間耐火」の部材を使った場合で14階建てまでで、必要な法整備や規制緩和を「国」や関係機関に働きかけるとしています。
「W350計画」では、まず2020年代前半に高さ70mの14階建てビルの建築が計画され、施工は「熊谷組」が担う見通しです。
欧米においては、環境負荷の低減や(CO2)の固定化の基、「木造」建築物の高層化が進み、林業先進国の「オーストリア」(「ウィーン」)では、高さ84mの24階建てビルが建設されていますが、「日本」においては、5階建て程度に留まっています。
(讀賣新聞2018.02.13抜粋)