「東京都庭園美術館」再開
「アール・デコ」(Art Déco)とは、一般に「アール・ヌーヴォー」の時代に続き、「ヨーロッパ」と「アメリカ(ニューヨーク)」を中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行し、発展した装飾の一傾向を指します。
「幾何学図形」をモチーフにした記号的表現や、原色による対比表現などの特徴を持ちますが、その装飾の度合いや様式は多様です。
「アール・デコ」は、装飾ではなく規格化された形態を重視する機能的モダニズムの論理に合わないことから、流行が去ると過去の悪趣味な装飾と捉えられました。従来の美術史、デザイン史では全く評価されることはなかったのですが、1966年にパリで開催された「25年代展」以降、モダンデザイン批判やポスト・モダニズムの流れの中で再評価が進められてきました。
「アール・デコ建築」としては、1930年頃の「ニューヨーク」の摩天楼(「クライスラービル」「エンパイアステートビル」「ロックフェラーセンター」など)が有名で、一世を風靡したものです。ところが、大恐慌により「アメリカ」経済が力を失うと同時に流行は去ってしまいました。
「日本」でも昭和初期に、「アール・デコ様式」が流行しました。当時、国際都市であった「上海」の近代建築(「サッスーンハウス」「フランスクラブ」など)にも「アール・デコ」の影響が見られます。
「インテリア」「家具」にもアール・デコが用いられ、「チャールズ・レニー」「マッキントッシュ」や「ウィーン分離派」「フランク・ロイド・ライト」のデザインも「アール・デコ」の流れに位置づけられることがあります。
《讀賣新聞13.06.27》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所