「豊中えびす祭」:服部天神宮
「大阪市施設」の維持問題で、【泉布観】は改修公開され、【海の時空館】は閉館されることになりました。
【泉布観】は、明治4年(1871)、創業当初の造幣寮(現在の造幣局)の応接所として建てられています。設計は明治初期の日本の洋風建築に大きな業績を残した英国人技師「ウォートルス」です。白い漆喰塗りの壁が美しい2階建ての建物は総煉瓦造りで、周囲にベランダを巡らせた「ヴェランダ・コロニアル」様式といわれています。室内は天井が高く、暖炉やシャンデリアなど優雅な装飾が施されています。「泉布」は貨幣、「観」は館を意味し、明治天皇が自ら命名したもので、国指定重要文化財です。
【海の時空館】は、海や港とともに発展してきた大阪の歴史をはじめ、広く人と港とのかかわりなどについて、楽しく理解するために誕生した海洋博物館ということです。展示は実物大に復元された「菱垣廻船(ひがきかいせん)」“浪華丸”を中心に、開放感溢れる空間が広がり、ゆったりとした時間の中で船の行き交うベイエリアの景色を楽しむことができるところです。
何れにせよ、建築物が短命に終わることは寂しいものです。
《讀賣新聞2013.03.01》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所