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高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(たかつかてつじ) / 建築家

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

コラム

夢も希望もない!?

2012年7月24日 公開 / 2020年12月28日更新

テーマ:旬の話題

コラムカテゴリ:住宅・建物

 仕上げ工事でも技能者不足が顕著になっています。型枠工事や鉄筋工事の躯体工事職種における技能者不足は慢性化していますが、躯体職種に加え、仕上げ工事職種でも技能者不足が表面化しています。とくにボード工事とタイル工事で技能者が足りないということです。
 技能者の大幅な不足の背景には、労働待遇の悪化(低賃金など)があります。ある仕上工事業者は、元請けからの要請に「単価を上げてもらっても、人がいない」と嘆いています。さらに、最終工程の養生クリーニングも人手不足が著しいということです。
 単価は各職種で上昇してきています。単価の急激な上昇は、専門工事業者の経営にも影響します。契約から着工までの期間が長ければ、その間に労務費が上昇する可能性があり、技能者を確保するためには、持ち出しになります。工事量、労務費など先行きを見通せないというのが現状だそうです。
 技能者を確保するために、この数年に離職していった人たちに声をかけても、「賃金を上げたからといって、辞めていった職人は戻ってこない。」というのが現実です。ダンピング(過度な安値受注)による低価格が、建設ものづくりの最先端で働く技能者にしわ寄せされた結果であり、夢や希望をもてない業界になっているということです。
 専門工事業は、新規入職者が少なく高齢化も進み、現状のままでは技能者の減少に歯止めがかからず、建設生産に影響を及ぼすことは必至の状況です。



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