「欠陥住宅(20)」外壁からの漏水トラブル

高塚哲治

高塚哲治

テーマ:欠陥住宅

 外壁からの漏水トラブルが急増しています。
 最近の住宅の外壁は、モルタル塗りから意匠性に富んだサイディングボードヘと移行しつつあります。いずれの場合でも、その内側には、防水シートが取付けられ、「外壁材」+「防水シート」の二段構えで、雨水が壁内部に浸入するのを防いでいます。
 もしも、壁の内部に雨水が浸入してしまうと、壁の内部の断熱材が水分を吸い断熱効果が落ちると同時に、壁の内部が湿潤な状態になり、柱や筋かいなどの構造部材が腐ってしまいます。防水シート(雨水等が壁体内部に浸入するのを防ぐシート。外壁材の下地にはアスファルトルーフィングや透湿防水シートが用いられています。)は外壁を包み込むよう張付けておくことが重要です。
 また、水切り(外壁材を乗り越えて浸入してきた雨水は、防水シートに遮られ、建物下部へと流れ落ちる。この水を建物外部にスムーズに排出してくれるのが「水切り」です。)の取付け方も重要で、防水シートの内側に挟み込むように取付けます。誤った取付け方は、壁体内部に水を呼び込み、土台などの木部を腐らせる原因となります。雨水が浸入しやすい窓廻りなどは、防水テーープでしっかり補強しなければなりません。防水シートは、上から順番に張付けてしまうと、壁内部に雨水を呼び込む原因になるので必ず下から上へ張付けなければなりません。
 リフォームの場合は、新築時以上に慎重な施工が求められます。




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タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治
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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

高塚哲治プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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