スーパー経営の生産性を高める「やらない経営」の本質  人手不足・賃上げ時代に営業利益を伸ばす仕組みづくり

新谷千里

新谷千里

テーマ:スーパーマーケットの経営戦略

なぜ1年経っても現場は変わらないのか・・・。

多くのスーパーマーケットの経営者が、
「毎日忙しいのに業績が変わらない」
「改善しているつもりでも利益が残らない」
という悩みを抱えています 。

私が、全国の現場を見てきた結論として、その原因は能力や環境ではなく、
「重要でないことに時間を使い続けていること」に集約されます 。

時代背景の変化で 「需要不足」 から 「供給制約」 へ

これまでのデフレ時代は、
「価格を下げ、人件費を抑える」ことで利益を出せました 。

しかし現在は、以下の深刻な「供給制約」の局面にあります 。
•深刻な人手不足と採用難
•最低賃金の上昇によるコスト増
•生産性の低い企業の自然淘汰

もはや「人を使って売る」モデルは限界を迎えており、
「仕組みで利益を出す」モデルへの完全なシフトが求められています 。

利益を阻害する 「偽りの忙しさ」 を分解する

「忙しいのに利益が出ない・・・」企業の本質は、
利益を生まない仕事に時間を奪われている点にあります 。
•不要な会議の常態化
•非効率な作業や場当たり的な問題対応
•売上に直結しない形骸化した業務

業績を劇的に変える 「引き算の経営」 3つの柱

成功している企業は、やることを増やすのではなく、
「やらないこと」を明確に決めています 。

① 非付加価値業務の徹底排除
•会議時間を半分にする(止める)
•3S(標準化・単純化・専門化)による作業の標準化と効率化をはかる
•無駄な慣習的になっている作業を廃止する

② 売上・粗利益への集中投資
•重点商品の徹底的な管理
•4P(マーケティング・ミックス)に基づいた売場づくりの強化
•集客(立寄り率アップ)の要となる「マグネット売場」の強化

③ 「仕組み」の構築とデータ活用
•作業指示書の整備活用によるオペレーション効率アップ
•POSデータ(ベストレポートなど)による意思決定
•発注精度の向上によるロス削減(欠品、値引き)

結論・・・生産性向上こそが唯一の生存戦略

これからのスーパー経営において、生産性は以下の数式で定義されます 。

生産性 = 人時売上高 × 粗利益率

経営とは、
「足し算」ではなく「引き算」です 。



何をやらないかを決めた瞬間から、組織は変わり始めます 。
“止めるという改善活動” をスタートして経験したチームだけが、その成果を手にすることが出来るのです。
(文:新谷千里)


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新谷千里(経営コンサルタント)

有限会社サミットリテイリングセンター

100社以上の業績向上を実現した業務改善のプロ。売れてしまう実践的マーケティングとオペレーション改善とコスト削減。他では教えてくれない理論と実践で、競争の厳しい時代に確実に営業利益を向上させます。

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