店舗と本部、「チームで考える」という最強の仕組みづくり

新谷千里

新谷千里

テーマ:スーパーの業務改善

ある地方のローカルチェーンスーパーでの出来事です。
私が惣菜部門の業務改善を支援していた際、基幹店の店長、本部のバイヤー、業務改善チームのリーダー、そして私で、進捗状況と数値実績の確認をしていました。


現場の悩み:「午後の売上が前年割れ」

ミーティング中、店長から「午後のピーク以降、売上が前年を下回っている」との発言がありました。社内からは対策を求められているものの、現場では明確な解決策が出せておらず、店長もバイヤーも頭を抱えていたのです。
現場が混乱しているときこそ、基本に立ち返ることが大切です。私はこう伝えました。
「売上を上げる方法は3つしかありません。
①客数を増やす
②客単価を上げる
③来店頻度を上げる」
その上で、具体策を出し合うことにしました。

■ ① 客数を増やすには


・未来店客・離反客を呼び戻す施策が有効。
・新聞チラシの再活用、LINEやInstagram、YouTubeなどSNSでの訴求も検討。

■ ② 客単価を上げるには


・「できたて」感の演出が鍵。
・揚げたて、作りたての商品をアピールするトップボードやPOPの設置。
・主通路のマグネットポジション(視認性の高い場所)での展開が効果的。
・出来立て商品を伝える店内アナウンスの活用も。

■ ③ 来店頻度を上げるには


・感動のある売場で「また来たい」と思わせる体験を演出。
・購入後に次回使えるクーポンを発行、再来店の動機付けを強化。
・販促POPや特設コーナーでイベント性を出す。

「店舗と本部が一緒に考える」その瞬間


販売促進の話が盛り上がる中、店長が「本部の販促チームにも手伝ってほしい」と発言。
私は即座に提案しました。
「今この場に本部のメンバーが来て、一緒に話を進めれば、時間も短縮できるし、何より最高のコラボが実現します」
結果、本部から販促チームのメンバーが店舗に駆けつけ、即席のコラボミーティングがスタート。販促チームのメンバーからは、現場と連携した具体的なアイデアが次々に出てきました。

組織の垣根を越えると、組織は動き出す


多くの企業では「本部は指示を出す側、店舗はそれに従うだけ」となりがちです。しかし、売上・利益を生むのは、現場=店舗です。
今回のように、現場と本部が同じ目線で、同じテーブルで課題と向き合うことで、「売れる仕組み」をともに構築できるのです。

チームで考えること、それが最大の武器


この企業も、当初は典型的な「縦割り」「硬直化」した組織でした。しかし、今回の一連の動きがきっかけで、「チームで考える」という仕組みが少しずつ動き始めています。
もちろん、すべてがうまくいくとは限りません。しかし、失敗したとしても、チームで再度改善策を考えることができれば、成功の確率は何倍にもなります。そしてチームは、確実に強くなっていきます。


実際、本部から参加したメンバーからは、「こんなことが遣りたかったんです・・・」という、本音の、そして、嬉しいコメントが飛び出しました。その一言で、メンバー全員が笑顔になりましたし、「結果を出すための仕事の仕方」を感じてくれたのではないかと思います。


あなたの会社でも「本部と現場の連携」を見直す時期かもしれません。組織の壁を超えた協働が、これまでにない業績向上の扉を開くことでしょう。




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新谷千里
専門家

新谷千里(経営コンサルタント)

有限会社サミットリテイリングセンター

100社以上の業績向上を実現した業務改善のプロ。売れてしまう実践的マーケティングとオペレーション改善とコスト削減。他では教えてくれない理論と実践で、競争の厳しい時代に確実に営業利益を向上させます。

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