効率を追求すると、お客の満足が高まる‼
ここ何年も続けて売上は低下。
そして、営業赤字の月が続いていた、地方で3店舗を運営するスーパーマーケット。
人口が減り続けている上、競合スーパーとドラッグストアの進出。
おそらく、日本の各地で、この様な境遇のスーパーは数多く存在しているものと思う。
目次
コンサルティングを実施してから9ヶ月目に前年対比429万円プラスという大幅な営業利益(月次)の拡大が見られた。
前年の月次決算は、毎月の様に赤字だったが、今年はついに黒字化を実現してきた。
営業利益は、4ヶ月目から確実に増加傾向になっていて、徐々にその拡大幅は大きくなってきている。
なぜ、営業利益が大幅にアップしたのか?
答えは簡単だ。目標を売上や粗利益から営業利益に変えたからだ。
業績低迷が続いたこの会社は、売上と粗利益(正確に言えば、売買差益)ばかりをみていた。
月次の損益計算書は、1ケ月以上過ぎてから税理士事務所から届いていた。
しかも、社長が軽く目を通して確認する程度の管理だった。
私は、指導先のほとんどに、各部門のごとの営業損益書を作成してもらい、チーフ全員にその教育を行っている。
目標が違ってくれば、現場の各リーダーの考え方や日々の行動の多くが変わってくる。
営業利益の拡大が目標であれば、売上や粗利益だけではなく、ロスや欠品、ムダなコストの意識も高まってくる。
人口は減り続け、これから先もよほどのことがない限りは、商圏内の人口が増えることはない。
その中で、これから先、会社を維持成長していくためには、正しい勉強をして、効果の出せる行動に変える必要がある。
しかし、このことは決して難しいことではない。どこのクライアントにおいても、普通の人が普通に遣ってくれている。
そして、営業利益を大幅に改善してくれている。
正しい目標設定
先述したように。私はチーフレベルまで営業利益を意識してもらっている。
この話をすると、スーパーの経営者や私たち同業のコンサルタントの中にも「チーフレベルまで教えられない」とか、「その必要はない」という人がいる。
しかし、私に言わせればそれは全くの思い違いだ。
損益計算書や貸借対照表やキャッシュロー計算書などの経営指標があるが、その全てを教える必要はない。
しかし、部門別の損益計算書を教えることは、非常に現場の意識レベルを高める道具としては、最高のツールだと私は確信している。
事実、少しの教育を加えただけで、現場の店長やバイヤー、チーフの意識は確実に変わる。発言の内容も変わってくる。
なぜなら、当たり前のことだが、目標が違うのであるから、日々の「行動を変えなければ」という意識が芽生えてくる。
そして、今まで当たり前にやっていたことが、「全く間違っていた」ということに気付くこともある。
各部門のチーフ全員が、場合によってはカテゴリーの担当パート社員まで参加して、目標を正しく理解共有すれば、多くの人の行動が変わるわり、結果は大きく変わってくる。
そして何より、経営者は精神的にも楽になり、「社員の教育訓練が、いかに重要であるか」ということに気付かされる。教員方法も変わってくる。
私は、そのことを現場で指導してきた多くの会社で目のあたりにしている。
今、この記事を読んでいるあなたにも、そのことを是非理解し実行してもらい、大きな成果に繋げてもらいたいと心から思っている。
お客の不満の解消と実践的マーケティングとマネジメント
お客の支持を勝ち取るための実績的マーケティング。
そして、そのためのマーチャンダイジング(商品化計画)と売場展開計画と実践。
「地域のお客様の支持を高めること」は当然のこととして、それが競合店より優れていることが求められる。
しかし、業績が低迷していたこのスーパーは、これらの基本原則の勉強をほとんどしていなかった。
メディアで取り上げられた戦術的なことや、今までの日々戦術の繰り返し。事例のスーパーも、代わり映えのしない売場。代わり映えしないチラシを打ち続けていた。
これではお客の真の支持を高められることは叶わない。
特に私が基本原則というのは、
・真に地域のお客のことを考えた品揃えや欠品をしていないこと。
・高い品質、鮮度の商品を届け続けること。
・クリンリネスや衛生管理が徹底されていること。
そして何より、
温かみがあり気遣いのある接遇を売場において、また取引業者などに対してもできていること。
この基本4原則が重要であると考えている。
私も色々な会社からコンサルティングの依頼を受けるが、事例の様に苦戦しているスーパーのそのほとんどは、この基本4原則を正しく勉強(理解)をしてない。
これがらが業績不振の一番の原因と言っても過言ではないと思う。
生産性を上げるための設備を導入したりすることに関しては、簡単に投資をするのに、部下の成長のための教育投資をほとんどしていない場合があまりにも多いと感じる。
社員の成長が、会社の成長
私のクライアントの相当数の方々が、大きな成長をしてくれている。
億単位の営業利益を拡大した社長もいるし、部門の営業利益を大幅に改善したバイヤーもいるし、現場のチーフやパート社員の中にも記録的な業績アップを実現してくれる人もいる。
彼ら、彼女らは今までその知識を持っていなかっただけで、やる気はあるし、真面目に仕事に取り組んでいる人がほとんどだ。
要は会社が目的を明確にすることと、そのための不足する知識や技能を習得することの努力を怠っていたことにある。
また、社長においては一人で悩み苦しみ、誰にも相談しない自分自身の行動がその結果を招いている場合が少なくない。
「分からなければ聞く」この単純なこと、その行動を起こすことに少しだけ勇気を持ってもらいたい。
私どもコンサルタントも、1年2年で知識や実技を積み上げたわけではないし、多くの失敗もしながら、それらが肥やしになっている。
また、チェーンストア理論などのスーパーマーケットに関わる知識だけではなく、マーケティングや理念やコンセプトや戦略などを勉強した。その積み重ねの結果で今の仕事をさせていただいている。
最初からできる人など、この世の中には一人もいない。
意識が低い人でも、やり方が分かれば一挙に変わる人は多い。
当然前向きな人なら、私どもの期待を大きく上回るほどの成長する人もたくさん現れる。
会社は、社員の成長を「会社の一番重要な戦略」として位置づけることが重要だ。
どこの会社にもチャンスは必ずある
世の中に同じ会社は1社もない。
社長の考えや経験や知識の度合いも違う。当然そこで働く従業員の方々も、同じように違う。
しかし、重要なことは、ゴールや目標を明確にすること。
そして、理念やコンセプトを明確にすること。
そして、ターゲティングとポジショニング。
そしてそれを全員で共有し行動することのリーダーシップを発揮すること。
またその努力を日々積み重ねることだ。
チャンスはどの会社にもある。
問題なのは、必要な知識を習得する努力をしているか、してないか。
また正しく学び、楽しく行動するという生産性の高い行動になっていることが重要だ。
そして、「他者の意見を聞く」ということも非常に重要なことである。
これは私も経験則からであるが、どうしても自分自身(自社)で考えられる範囲は狭い。
第三者に話を聞いて、意見を聞いて見ると、「そういう考え方もあるんだな」ということを痛切に感じさせられる。
そしてそれは、大きなアイデアとなって、自分自身(自社)の成長にも大きく貢献することとなる。
さて、あなたの会社は成長のための正しい学習をしているだろうか。
そのための時間やお金の投資をしているだろうか。
またそれを実現するための資金を獲得するための努力をしているだろうか。
どこの会社にもチャンスは十分にある。
今回紹介した事例のスーパーは、ここでゴールではない。
やっとスタート地点に立ったというところだ。
これから、実践的マーケティングやマーチャンダイジング、基本4原則などなど、必要な知識を教え込み、一人ひとりに習得してもらい実践し、失敗もしながらそれを繰り返す。
これからが楽しい仕事になってくる。
「地域一番に愛されるお店」になること、「最高益」を出すことを目指して・・・。
今あなたの前には、2つの道がある
多くの他のスーパーと同じく、自分の持っている可能性を開花させることなく、今までと同じ業績でとどまり続けるか。
それとも、
正しいやり方を学び、
1.高い目標を設定し
2.顧客視点の生産性の高い行動をとる
3.ムダの無い仕組みを作る
という「正しいやり方」を手に入れ、「楽しい仕事」を行い、自分たちの限界を突破して、今までたどり着けなかった上のステージに上がるのか。
そして、その先にある充実した「本当の仕事」を手に入れるのか。
あなたは、どちらを選択するのも自由です。
しかし、もしあなたが後者を選択し、日々実践すれば、きっと次のような未来が待っているでしょう。
長年悩まされていた営業利益が改善され、資金と時間の不安がなくなり、目の前がパッと開ける感覚になるかもしれません。
チームメンバーの未開発の知能が解放され、本来のチームの能力が引き出され、自然と仕事のパフォーマンスが上がり、今までに実現できなかった成果をチームで出すことができるようになるでしょう。
大小のストレスもなくなり、同じ目標を持った人たちが集まっていることに気付くでしょう。
そして、「何をやっても、皆でうまく遣れる」そんな、自信に満ち溢れた毎日を過ごせるようになっていることでしょう。
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