人手不足が小売業を変える!小売業が取り組むべき改善策【ダイヤモンド・チェーンストア215原稿】
あれもこれも、仕入原価の大幅値上げラッシュ。
電気代とガス代はビックリするスピードで高騰して、この夏の電気代は記録的なものになることが予想される。
価格競争が厳しくて、粗利益高も低下しているのに・・・。
「このままでは、赤字の店舗が出てくる」
先日、オンラインでの説明会の時に、ある地方のスーパーマーケットの社長の口から出た、一言。
今までのやり方では、確実に営業利益が下がり続ける!
当分続くと思われるコストアップとその高止まり。
仕入れ原価のアップ分は、売価を上げることで吸収することが可能である。
しかし、単純な値上げでは、お客の買い控えと来店客数を減らすことにも繋がる。
そして、電気代と人件費は、スーパーマーケットの経費全般の1/3程度を占める。
生産性が低く、営業利益率が低い企業において、コストアップは、「儲けが簡単に吹っ飛ぶ」様な重要な問題である。
仕入原価の高騰、光熱費の高騰、そして、人手不足。
まさしくトリプルパンチを食らった状態であり、さらに、ドラッグストアやディスカウントストアの進出と、資本力のある大手を中心とした宅配やオンラインショップの台頭。
中小のスーパーマーケットは、過去に経験したことのないような厳しい経営環境がこの先も続く。
当然のこととして、『今までのやり方』で何も変えなければ、確実に利益を落とし続けることになる。
コストを確実に下げる「正しい方法」はあるのか?
あらゆるコストに低減の方法は有ると考えて、今まで手を付けなかった部分を点検して、改善を実行することが重要だ。
古い設備を、最新の省エネ機器と入れ替えることは、ランニングコストを下げる意味で即効性がある。
その場合、支払い方法を工夫することで、節税にも繋がる場合もある。
また、手元資金が少なくても導入できる方法もあし、モノによっては助成金を受けられることもある。
それらのことによって、資金繰りに余裕を持たせることは、重要な経営の努力課題でもある。
しかし、私が今まで視てきた企業の現場には、そもそも、何の投資もしないでコストを削減できることは決して少なくない。
在庫削減、作業改善、システム(仕組み)改善、レイアウト改善、配員計画改善、品揃え改善、マルチタスク、部下の教育と訓練、温度管理変更、省エネのルール作りなどなど、投資資金も必要としない改善方法が幾らでもある。
そして、これらの問題が大小・複数絡み合う場合も多く、ムダがムダを生み、多額のロスを出し続けている場合を目にする。
「儲からない・・・」「資金繰りが大変だ・・・」「ジリ貧になって心配・・・」と言っている割には、これらのことに手を付けていない。
また、遣っているつもりでも、結果を出すための正しい方法を勉強しないために、正しいプロセスを踏まないから、思う様な結果が出せない。
商環境が、今後さらに厳しくなることを考えた時、今までのような「目先の売上を追う」やり方だけでは、中長期的な会社の成長は難しいと言える。
【営業利益=粗利益-経費】を理解して行動する!
冒頭から、気分的に暗くなるような話をしてしまったが、残念ながら事実だ。
競合の有無については、地域差はあるだろうが、コストアップについては、ほぼ全国的に例外は無い。
解決策は、「粗利益をアップさせる」、「コストを下げる」この2つしかない。
その両方に関わる課題。それが在庫管理の仕組みづくりである。
商品ロスの削減(低減)や欠品の削減は確実に粗利益を増やし、そのことによって、「作り過ぎ、出し過ぎ、移動、再加工、値引き、廃棄等」の多くムダな作業を減らすことに繋がり、投入人時を減らして、結果的に最大コストである人件費の削減を実現できる。
ここのところの社内の現場調査は、重要なヒントとアイデアを与えてくれる。
何よりも、真っ先に取り組むべきこと?
『粗利益アップ』と『コント削減』には、色々な方法があることを前述したが、その中でも、即効性があり、人件費削減にも結び付き、多くの課題を総合的に解決できる、改善効果の高い方法が一つある。
それはズバリ、数量管理のレベルアップによるロスの削減だ。
在庫の削減や適正化によって、商品の「鮮度を上げて」、「欠品を無くす(減らす)」という、至ってシンプルでお客の支持を高めるための活動のことだ。
そのためには、発注や作業指示、売場修正指示など、現場の担当者の業務スキルを上げなければならない。
数量管理とは、感ではなくデータを活用した『科学的な判断とプロセス』である。
生産性が上がらないという問題は、この『数量管理』のスキル不足が主因で起こる場合が多い。
数量管理は、パート社員からチーフ、店長、バイヤーに共通する重要な管理スキルであり、そのスキルアップは、お客の支持と従業員の働きやすさを実現する、会社の財産ともいえる。
実践力を上げる、データの情報化と価値化の重要性?
POSシステムは、商品や顧客などのデータ(数値実績)を蓄積して持っている。
そして、各レジ・メーカーの作った定型帳票も出せるが、活用性と有効性の意味から考えると、高いとは言い難い。
また、社内で使っている帳票が、「解りやすい」、「判断しやすい」というものが少ないことが現実だ。
「理解して、即、正しい改善行動に繋がりやすいか?」となると、その数は激減する。
原因は、各種の帳票が「何を実現するためのモノか?」ということが、明確になっていないことにある。
数量管理や単品管理という用語は、少し勉強した人は知っているだろう。
ところが、スーパーマーケット企業の多くは、その『正しいやり方』を教わっていない場合がほとんどである。(あくまでも、私の携わった企業では・・・)
数量管理のためには、実績データを活用した『情報の価値化』と、それを活用して、現場を確認し正しい判断を下せる『マネジメント力(リーダーシップ)』が重要である。
マネジメント力というと難しく感じるが、要するに実地確認と価値情報から、「お客の不満を読み取る力」と「売場をあるべき形に修正指示する」、そして、「それらに繋がらないムダを取り除く」という、リーダーの行動力と考えてほしい。
例えば、お客からの支持が高い商品の「売れ行き(品薄)を察知して、事前に追加加工や補充の支持を適時行い、販売最大値を実現する」と言う様なことだ。
データの情報化と価値化、そして、『見える化』
私が、コンサルティングの現場で活用し、即効性があり、大きな成果を出しているのが、『見える化』された帳票だ。
ただの数値の羅列されたものではなく、目的をもって加工し、「見やすく」「解りやすく」そして、「数値を見なくても判断できる」、見える化されたモノである。
パンや日配など、発注担当の新入社員やベテランパート社員にも好評で、
「発注の仕事がしやすくなった」
「発注精度が上がって、ロスが減り、粗利益率がアップした」
「発注のストレスが無くなった。もっと早く教えてほしかった」
等の嬉しい声をいただいている。
店長やチーフからも、
「粗利益が大幅にアップした」
「在庫が激減した」
「人件費を減らすことが出来た」
等と評価が非常に高い。
そして何より、パート社員や現場の担当者のスキルは、確実にアップしている。
現場のムダが大幅に減り、商品管理などの単純作業の投入人時は減り、計画や調査、部下の教育訓練などの付加価値業務の時間を増やしていく。
時間の経過とともに、チーム力は確実に向上していくことになる。
「変わることがイヤ」で、つぶれる会社?
しかし、彼らが簡単に業績を向上させたことに、血のにじむ様な努力があったのか。
答えは、全く持ってNOだ。
「ただ素直に実行しただけ」ということだ。
日々、目先の売上を追う行動は、売上が伸びた時代はそれで良かった。
安ければ良かった。
それで、お客は納得して、会社は利益を残すことが出来た。
しかし、もう、そんな時代ではない。
お客は、『質を求める』ようになった。
『楽しさを求める』ようになった。
だから、そのニーズに対して、考え方と行動を少しずつシフトしなければならない。
そのためには、ムダを無くして「時間の余裕」と「お金の余裕」を持てるようにすることが重要だ。
言うまでもなく、改善作業は、「即実行」で、結果は大きく変わる。
小さな失敗も事実として、実行することによって、新たな結果を徐々に出し、やがて大きな成果を生み出すこととなる。
【関連動画】儲かるスーパーにする方法 粗利益アップとコスト削減
『データの見える化とロス削減法』の勉強会(無料)のお知ら
私が、クライアントにしか教えていなかった、「データの見える化とロス削減法」を、中小のスーパーさんにもお伝えすることにしました。
なぜなら、冒頭でお話ししているように、大変に厳しいビジネス環境であること。
そして、地元の中小のスーパーマーケットは、地域に無くてはならないお店であり、そのことによって、多くの地域貢献と雇用を生み出していることです。
1時間程度(質問などで延長あり)で、その概要と、だれでもが遣れている実践方法をお伝えします。
コストアップ、人手不足、競合対策、価格競争など、大きな課題がある現状の問題に対して、改善のアイデアと実践方法を掴んでいただけると思います。
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