ノウハウ以上に、ノウホワイが大事!
スーパーマーケットにとって、「高・鮮度の商品を、お客にお届けする」ことは、戦略上最も重要な意味を持ちます。
あなたのお店で販売している野菜や魚、肉、そして、日配品は高鮮度でしょうか・・・?
そしてそれは、『地域で、ダントツ1番に飛びぬけた鮮度』でしょうか・・・?
更に、お客は、そう感じているでしょうか・・・?
⇧農家から直送された朝採りトウモロコシ(数量限定販売)
鮮度チェックは、単に商品の見た目や日付などのチェックをするという作業に止まりません。
そこには、
①マーケティングで重要な、商品のクオリティを高位に保つ
②オペレーション上の、生産性(人時売上高)を高める
という、側面があるということを正しく理解する必要が有ります。
スーパーマーケットの鮮度は、重要戦略!
ドラッグストアなど、業態を超えた競争が、今後も厳しさを増すことか予想されます。
その上でも、スーパーマーケットにおける『高鮮度品の提供』という仕組みづくりは、営業戦略上最も重要なこととなります。
競争が厳しいことから、価格のことばかりを考えている人も多いようですが、本質的な問題の解決策はそこではありません。
競争上、スーパーマーケットの強みは、生鮮品の品揃えにあります。
価格を無視するということでは決してありませんが、スーパーマーケットは、生鮮品の品揃えと品質を常に高位に保ち、提供し続ける仕組みを構築することが重要です。
また、そのことで、生鮮品の粗利益高を拡大出来れば、戦略的値入れMIX(厳密には、営業利益MIX)を可能にして、グロサリーや洋日配品のNB商品を安く販売する戦略を取ることも可能になります。
このように、生鮮品の鮮度(品質)を『地域ダントツ1番にすること』が、営業戦略上重要なポイントになります。
鮮度チェックの正しい方法を決める
入荷した商品の検品や保管、売場での鮮度管理は、チーフの重要な主体業務です。
そして、鮮度チェックは、部門責任者のチーフ(責任者)が、全ての商品を厳密にチェックする必要があります。
そのためには、責任者の意識変革と目利きなどの教育訓練が重要になってきます。
店舗のコンセプトや営業戦略を正しく理解して、日々の管理を徹底する必要があります。
その意味でも、店長の現場確認と修正指示などマネジメント力も重要となります。
間違いだらけの鮮度チェック 回数ではなく質!
会社によって、鮮度チェックの時間はまちまちですが、開店時・昼・夜など1日のうちに複数回行う店舗もあります。
1日に何度も鮮度チェックを行うと聞くと、一見その店舗がとても意識が高いように聞こえます。
しかし、鮮度チェックを複数回実施したからといって、必ずしも、売り場の鮮度が高位に保たれるわけでも、ましてやお客様の満足度が高まっているわけでも、そして、売上がアップするわけでもありません。
鮮度チェックは、適切な時刻、そして方法よって行なわれてこそ、意味があるのです。
➊ お客に「高鮮度品を届ける」という意識(コンセプト)
そして、
➋ 鮮度(品質)を見極めのことのできるスキル(目利き)
を持った人がやるのが、正しい鮮度チェックです。
これは、スーパーマーケットの生鮮部門の責任者の最も重要な主体業務なのです。
15時の鮮度チェックと4つのメリット
スーパーの鮮度チェックを15時に行うことが効果的です。
そのメリットは、大きく4つあります。
➊ お客からの信頼を構築する
自社のコンセプトや戦略(鮮度管理基準)に沿って、基本的に値引き(見切り販売)を早々に行います。
プロの目利きによる日々の品質チェックは、お客の鮮度に対する期待を上回ることになります。
商品の値引きは、一時的に損をしますが、長期的に見れば、お客様との信頼の構築に繋がり、結果的に来店頻度(タイムライフバリュー)を上げることになります。
➋ 商品の発注精度が上がる
15時の品質チェックが重要となります。
15時という時間帯は、昼のピークタイムを過ぎて、夕方のピークタイムに備える時間帯になります。
重要なポイントは、
(1) 昼のピーク後に売場とバックルームの在庫を確認して、各商品の売れ行きを判断する
同時に、
(2) 商品の鮮度(日配品の日付)を確かめて、夕方のピーク前に「どの商品を本日中に売り切るべきか」を決める
そして、
(3) 視認率の高い場所で見切販売する
ことが重要です。
スーパーマーケットの生鮮品の発注は、概ね営業日前日の夕方以降に行われます。
売り切る商品を決めることにより、在庫量を確定した後に発注作業を行うことになり、各商品の発注量決定の精度が高くなります。
➌ 粗利益が上がる
早期の見切り販売は、値引き幅を小さくします。
そして、現場の商品動向確認とPOSデータの実績(ベスト、値引きレポートなど)確認を行えば、発注数量の精度を高めることが出来ます。無駄な仕入れが減り、商品ロス、機会ロス(欠品)共に減少するようになります。
➍ 人時数(作業工数)の削減と付加価値業務の遂行
商品ロスが減り、発注の精度があがるということは、見切のための無駄な作業が減ることを意味します。
商品の作り過ぎ、出し過ぎや鮮度劣化商品の引き上げ。
また、その処理作業の工数と、それに掛けていた人時数を大幅に削減できます。
その分、部門責任者であるチーフは、本来の仕事である、販売計画や発注など、付加価値業務に集中して人時を投入できるようになります。
あなたのお店の鮮度は、地域ダントツ一番でしょうか?
今一度、現場の鮮度(品質)を確認してみてください。
自店の生鮮品や日配品は、「地域ダントツ一番の鮮度」の提供を目指し実現しましょう。
そして、その戦略を皆で理解して、チームで共有しましょう。
目利きなど、不足するスキルは無いか確認し、必要であれば定期的に教育訓練を行いましょう。
一連のことが社内で実現(解決)できそうになければ、お金と時間を投資して専門家に習いましょう。
業務改善の軸足を「高・鮮度品の日々提供」に充てることは、営業戦略上最も重要なことであり、会社の将来の業績に大きく関わることとなります。
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