鮮魚の粗利益36.7%で大幅増益 【競合ひしめく中の儲け方!】

新谷千里

新谷千里

テーマ:スーパーの営業戦略

昨年12月、地方にある弊社クライアントの基幹店舗の鮮魚の粗利益率が36.7%の記録を出しました。粗利益高では、前年同月対比144%です。額にして、171万円のプラスです。営業利益に於いても新記録を達成してくれました。

SM近大ぶり1712
この店舗は、すぐ近くにスーパーマーケット、ドラッグストアが3店の競合店が有ります。
地方の田舎街にしては、なかなか厳しい競合状況です。

            ◇2018年12月のS店の実績
SM鮮魚実績1712

目標を高く設定する


前年の粗利益率は、24%と、業界平均より少し低い粗利益率でした。
また、これまでもS店の鮮魚は、粗利率益のブレが大きく、安定しないという悩みを持っていました。

「買参権(市場の競りの参加の権利)を持っているんだから、35%ぐらい取らないと・・・」
と、私はオーナーと鮮魚のバイヤーに、言ってやりました。
二人ともビックリしています。
仲卸から商品を仕入れていれば、5~10%程度の手数料を払うことになります。ですから、「その分を儲けないと」という意味です。当たり前のことです。

彼らは、27~28%程度が業界の平均値なので、自社でもその程度を目標で良いだろうと思っていたのですから、私が発した高い目標数値に驚くのも無理はありません。
しかし、改善活動をスタートして、最初の1~2か月で徐々に変化が出て上昇していきました。
そして、約半年後の12月、36.7%の新記録を出したのです。


限界を決めるのは、自分自身?


彼らは、自分達で限界を低く決めてしまっていました。
業界の常識から、粗利益率を27~28%と目標設定していたのです。

買参権を持って、直接競り落として買えるので、その分安く売ってお客にアピールすることも出来ます。
しかし今回は、高い粗利益率を実現するという目標を設定して、どう遣ってそれを実現するか具体的行動計画も立てて実行してもらいました。

お造り(刺身)や鮮魚寿司を重点商品に設定して、商品化やプロモーションに力を入れてもらいました。
また、地場の鮮魚の売り方の工夫や、独自性のある魚も仕入して売ってもらいました。

高い目標を設定すれば、その分取るべきプロセス(行動)が、それまでとは違ってきます。
何より、「出来る限り高い鮮度をお客に体感してもらう」ことを念頭において、これまで甘くなっていた、商品管理や数量管理の基本を徹底してもらいました。


今後の課題


前年の安売りや値引き販売も有り、売上は前年を下回っています。
今後も、商品管理や数量管理の基本を徹底して、「高い鮮度をお客に体感してもらう」努力を続けて、部門の支持率を高めて行くことが重要です。

そして、今までのマーチャンダイジングやマーケティングの取り組みに甘んじること無く、失敗を繰り返しながら、更なるチャレンジをすることが求められます。

何れにしても、一度高粗利率を実現できれば、それが彼らの能力となり、今後粗利益が低下することは無いと思います。

自然と自分たちの自信にもなっていきます。
今後も、多くの体験をしてもらう為に、課題を提示して行きたいと思います。
更なる成長のために、、、。

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新谷千里
専門家

新谷千里(経営コンサルタント)

有限会社サミットリテイリングセンター

100社以上の業績向上を実現した業務改善のプロ。売れてしまう実践的マーケティングと作業改善、そしてコスト削減。他では教えてくれない理論と実地指導で、競争の厳しい時代に確実に営業利益を向上させます。

新谷千里プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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