『資金繰り』に悩んでいる会社こそ、売上や粗利益を追うな‼ 【商人舎magazine3月号・原稿】
スーパーマーケット企業の多くは、業績不振、人手不足、賃金アップなど、日々多くの問題を抱えています。
しかし、多くの中小零細のスーパーマーケット企業にとって、基本的な課題は、生産性が低いことです。
そして、それに気づいていない経営者が圧倒的に多くいます。
また、気付いている企業でも、結果を出すための具体的方法が解らずに困っている企業も少なくありません。
事実、業務改善チームを持っている企業でも、弊社にコンサルティングの依頼をしてきます。
大手企業や競合店が怖い訳ではなく、経営効率が低い“自社の体質”が本質的な問題なのです。
今巷で話題になっている、最低賃金のアップなどは、生産性の高い会社にとっては、それほど大きな問題ではありません。
■ 生産性アップを目指す理由
生産性が高ければ、営業利益率が高くなます。
そうなれば、従業員の報酬も上げる事が可能になります。
また、営業戦略上、商品開発や販売促進、売り場の改装や従業員教育などへの戦略的投資が容易になります。
結果として、付加価値の高い商品やサービスをお客様に提供できるようになり、売場は確実に活性化します。
お客様の期待を超えるサービスを提供することが出来れば、高い支持を得て、ビジネスの中長期的な発展が可能となります。
また、生産効率を向上させる事が出来れば、値入率を低く設定して、支持率の高いNB商品などのコモディティ・アテムの売価を、戦略的に低く抑えて販売することが可能となるのです。
■ 益々厳しくなる環境
スーパーマーケットは、少子高齢化、ドラッグストアなど異業態との競争などから、売上を伸ばすことが難しい状況であると言えます。
また、今後さらにその競争環境が厳しくなることが予想されます。
コンビニエンスストアは、地の利と商品(サービス)開発のスピードを速め、今まで弱かった、主婦層や高齢者の需要を確実に呼び込んでいます。
また、ドラッグストアは、高い生産性と食品の品揃えを強化して、低価格を武器に確実にその支持を上げて来ています。
一方、スーパーマーケットは、NB商品を中心として、価格競争に巻き込まれています。これと言って特徴を打ち出せない企業は、確実に粗利益率の低下を余儀なくされることになります。
当然、今までの営業戦略やオペレーションを続けて行けば、今後も更なる苦戦をすることになるでしょう。
■ 目先の売上を追ってはいけない!
この様な時代に必要な行動は、コンセプトをしっかりと持って価値ある商品やサービスをお客に届ける活動を確実にすることと、オペレーション上のあらゆる無駄を削減して、生産性の向上に努力することです。
無駄な在庫を削減し、作業全般のやり方を見直し、人時売上高を確実に向上させることが重要です。
そして、自社の強みを磨く差別化戦略と、弱みを改善する中立化戦略に、人と資金を集中投資するという行動をとることが求められます。
また、売上高や荒利益率が高いことが、必ずしも営業利益(儲け)が高いことはなりません。
例えば、「部門の粗利益率が高いから儲かっている」と思っている経営者や担当者が多くいます。しかし、決してそうではありません。
重要なのは、粗利益(率)ではなく、営業利益(率)です。
ROI(資本利益率=費用対効果)やROT(投入時間対効果)の概念をしっかり持って、業務改善に当たる必要が有るでしょう。
これらのことの実績向上が、生産性の向上なのです。
■ 高い目標設定を立てる
高い目標設定とそのための行動が、強い組織とプロセスを作り上げ、好業績という結果を生み出します。
今後、確実に業績を伸ばすには、出来る人、出来るチーム、出来るリーダーを育てることが重要です。
今までのやり方を素直に検挙に見直して、勇気を持ってチャレンジすれば、驚くような効果が期待できます。
最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き残るのでもない。
唯一時生き残るのは、変化できる者である。
- チャールズ・ダーウィン -
何も遣らずに、今までのやり方を繰り返すだけでは、ジリ貧になるばかりです。
■ 良い結果を出す、具体的課題設定と行動計画
売上を上げるためには、
競合店に勝つためには、
集客力を上げるためには、
荒利益を上げるためには、
経費を下げるためには、
売れる品揃えで販売力を強化するためには、
宣伝・広告効果を上げるためには、
教育訓練で効果を出すためには、
など、課題を具体的に明確化して、課題ごとに優先順位を付けて、具体的な計画を立てて実行することが重要です。
■ 実行力を上げる
理論的に理解しても、問題なのは遣り方です。
営業利益向上の為には、
明確な目標(ビジョン)を設定し、
それを実現するための計画(戦略)を策定し、
方法(オペレーション・戦術)を組み立てます。
そして、リーダーが強い意志と行動でチームを正しい方向に導きます。
明確な戦略が立てられない場合、場当たり的な戦術の繰り返しに終始することとなり、中長期的に営業力が上がらず、適正な利益が確保できないようになる確率が高まります。
売り場づくりなど、目に見えるところは、効果を出している他のお店の真似をすることが可能です。日々の目先の売上など小さな成果を得ることが可能でしょう。
また、商品を安く売れば、短期の売上は確保できます。
しかし、それだけでは、中長期の営業利益の拡大の可能性は低くなります。
根本的に営業利益を上げるためには、戦略とオペレーション、そしとて、リーダーシップなど、経営(運営)力を上げなければ、本質的な問題の解決にはなりません。
■ 顧客満足と営業利益、従業員の報酬は一体
私共の業務改善の基本な考え方は、
「顧客満足と会社の営業利益、そして、従業員の報酬は一体である」と考えています。
ですから、徹底したお客様目線(立場)と従業員目線(立場)での改善行動を優先し追求します。
買う。使う。食べる立場になった、売場づくり、商品づくり、サービス提供。
そして、それを実現するための店内作業と仕組みを見直し再構築します。
お客様目線の行動が、結果的に一番無駄が無く合理的な行動を生みます。
弊社の業務改善のコンサルティングは、理論の伝達だけでありません。
徹底した現場確認(早朝から閉店後までの実地作業調査等)を行い、売場や作業、仕組みなどの現場現実の課題を確認し洗い出します。
そして、クライアントに合わせた効果の出やすい改善方法を策定し、実地訓練を十分に行い、確実に結果を出して頂くご指導をさせて頂いています。
■ 成功と失敗を分けるもの
特に、人時売上高の向上は、人件費率の高いスーパーマーケットの生産性と利益向上の要です。また、その土台にたった付加価値創造(戦略)が、人時生産性の向上となって、他社に対する競争優位性を向上させます。
弊社は、営業利益向上のための売り場の活性化と、それを支えるための現場のオペレーション力とシステム力を向上させるための他に類のない、実地主導型のコンサルティングをさせて頂いています。
多くの企業が今まで気付かなかった、高い技術とその具体的方法で、クライアントの業績を確実に改善致します。
成功している会社 と、なかなか 成果を出せずに苦しんでいる会社。
それを分けるものはいったい何でしょうか・・・?
それは、
うまくいっていない会社は、良い結果を出すための仕事の仕方(=オペレーションと仕組みづくり)がよく理解できていません。
■ 『スーパーの経営戦略』 その他の参考記事
参考記事はこちらから、ご覧ください ⇒ スーパーの経営戦略
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