徹底した“高鮮度”を売ることで地域一番店になる!
この時季、果物の売上NO.1のいちご。
というか、いちご以外にこれといって季節商品が無い、果物の端境期。
バナナとりんごとその他大勢の柑橘類。
そして、徐々に上昇する気温を利用して、輸入のグレープフルーツとオレンジ、そして、キウイフルーツを頑張って売り込む。スイカとメロンの出回る時季まで、これで辛抱して乗り切るしかない。
厄介なのが競合店。このいちごを、二番手三番手の産地と品種を店頭に並べて、低価格で仕掛けてくる。
こちらも価格で応戦すると、粗利益率は確実に低下して、予算の粗利益高を確保できなくなる。
この時期、このような悩みを抱えている、青果部門のチーフは、全国に多くいると思います。
賢い戦略を考える・・・『お客の視点』と『科学』と『実行』
言うまでもなく、売上を上げる方法を、価格でしか考えきらなければ、三流のチーフです。策が無さすぎます。
重要のことは、『お客の視点』で考えることと、『科学』すること、そして『実行』です。
『お客の視点』とは、お客が、何に価値を感じて買うのか、ということです。
・美味しさ・・・甘さや香り、鮮度、安心や安全など
・楽しさ・・・・ジャムづくり、その他デザートづくり、冷凍保存、ギフトなど
など、お客の立場に寄り添って考えると、提案できることは幾らでもあります。
『科学』とは、どの様に売場をつくり、どのような売り方をするかということです。
・売場づくりの4P・・・アイテム(SKU)、展開場所、プロモーション、価格設定
・マーケティング1・・・通過率、視認率、立寄り率、買上率、点数、単価
・マーケティング2・・・客数、客単価、買上頻度
※詳細は、他のブログを参考にしてください
などを考えて、如何に売れるようにするかということです。
『実行』とは、実際にやること。この場合は、売り場で、お客に買ってもらうための、あらゆる手段を使って、実験していくことです。
念のため。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認評価)→ Act(改善行為)のDoですが、
当然、Doは、計画と実行後の確認評価、改善行為がセット(サイクル)で効果を出し、機能することです。
『お客の視点』と『科学』を基に、やることが、無駄な行動を少なくして、大きな成果に結びつけることができます。
アップセルとクロスセル、関連購買と想起購買
写真は、私のクライアントの売場での実験場面です。
最初は、いちごを二ヶ所で展開していました。
季節的に、気温の上昇が見られるため、全品冷蔵ケースでの展開に切り替えて、関連販売を強化しました。
実際には、グロサリー部門のフルーチェとコンデンス・ミルクの在庫が少なく、ボリューム陳列とまでは行きませんでしたが、売場を拡大して実験してみました。
結果は、半日で、フルーチェがほぼ完売。コンデンス・ミルクも数本残すのみとなりました。
今回の実験は、簡単な仕掛けをしただけです。
実際、ゴンドラの中の定番の在庫を引き出してきて、急遽いちごの横に陳列しました。
マーケティング上のやれることのほんの一部です。
今回の手法としては、まず、関連購買と想起購買です。
時季的に、少し食べ飽きた感があるいちごを、関連陳列をすることで、楽しく、美味しく食べるための提案をしてあげることです。
トッピングやちょっとした手間を掛けて調理することで、趣きを変えていちごの味を楽しむことが出来ます。
また、その調理工程も楽しさの体験になることでしょう。
そして、コンデンス・ミルクなどは、お客に、ストック切れなどの顕在ニーズを思い出させて、購買に繋げます。これが、想起購買です。
そして、アップセルとクロスセルです。
いちごも品種や産地、グレードなどの品揃えで、「少し、高いけど、その価値は十分に有りますよ・・・」とお客に教えてあげるということです。これが、アップセル(値上げ)です。
今回は、フルーチェもグレードの違いが有り、単価が高いものもありますが、売れた量は、ほぼ同じでした。
また、関連陳列することによって、無理なく「あと一品」が売れていきます。これがクロスセル(関連販売)です。
部門の垣根をとって、お客の視点で売場を作れば、確実に売り上げはアップします。
価格以外でモノを売ることを覚える
上記のようなことは、マーケティング手法の一例です。
例えば、適正値入れで、価格を設定して、価格以外の価値で、お客に納得してモノを買ってもらうということを考えてみてください。
繰り返しになりますが、その時に重要な要素が、小さい子供の母親や、おばあちゃん、果物が好きな女性というような、具体的なターゲットの設定をすることと、そのターゲットの視点です。
楽しさ、美味しさ、安心安全、目新しさなどを、解りやすく説明し、提案することが、ターゲットの共感を呼び、購買につながるのです。
価値を伝えて単価アップによって、売上を上げる
このように、低価格以外で商売を成り立たせることは十分に可能です。それも、お客に、十分に納得してもらってです。
・POPや試食販売などで、商品の持つ価値を十分に伝えることによって、
「こんな価値が有る商品であれば・・・」と、相対的に価格を商品の価値同等か安く感じさせる。
・ 〃 、商品の持つ価値を十分に伝えることによって、
一品単価を上げて、同じ客数で売上高を伸ばす。
・ 〃 、使い方(食べ方)の提案を行って、
あと一品買ってもらい、買い上げ点数を増やして、売上高をアップさせる。
などということが、可能なのです。
利益の元は、お客の感情の中にある
低価格で短期に売上を伸ばすことは、誰にでもできます。しかし、利益の伴わない売上げは、ビジネスではありません。何時かは自滅してしまいます。
お客の見えている欲求(顕在ニーズ)と、まだ、お客が気付いていない欲求(潜在ニーズ)に対して、掘り下げて考え仮説を立てて実行する。
このことの繰り返しが、大きな利益につながってきます。
Doが結果を出すのです。
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