徹底した“高鮮度”を売ることで地域一番店になる!
毎年春に、東京ビッグサイトで開催されるスーパーマーケット・トレードショー。
高知県の地産外商公社様からご依頼をいただき、出展審査会の審査員をさせていただきました。
全国各地から、何万人もの来場者が訪れるスーパーマーケット・トレードショー(展示会)です。
設備機器や什器備品、店舗デザイン、食品雑貨、各都道府県産品など、異業種のメーカーや生産者が、一同に揃い、多くのスーパーマーケット企業の方々が来場するビックイベントです。
高知県は、知事自ら旗振り役となって、県内の生産者やメーカーの商品の売り込みに力を入れています。
地産外相公社は、その一役を担っている責任ある重要部署です。
審査会は、トレードショーに出店する産地やメーカーを決定するものです。
審査員は、
女性に人気の高い、月刊誌MARTの編集長、大給さん、
同業社からも注目される、スーパーマーケットのヤオコー、商品企画部長の大島さん、
良品工房の白田さん、
そして、私の4人です。
約40社(団体)の審査を2日間かけて行いました。
『思い入れ』
一部例外もありますが、そのほとんどは、高知県産の農畜産物や海産物などとそれを原料として加工した商品です。
素直に美味しい商品。
なかなか深く研究して仕上げられた商品。
「なるほど」と、納得させられる商品。
など、生産者の方々の努力のあとを強く感じます。
その一方、
素材は良いのに、いまいち、完成度に納得の行かないもの。
商品開発のコンセプトをあまり感じないもの。
まだまだ、研究の余地があるもの。
なども多くあります。
良いところまで来ているけど・・・残念!
頑張っているけど・・・残念!
言っていることは良いのだけれど・・・残念!
良い素材を使っているのに・・・残念!
なのです。
売るのは商品だけではない!
商品の良いだけでは、販売に繋げることはできません。
売る側が、いくら「良い商品ですよ」と言っても、ターゲットにその価値が伝わらなければ、物は売れません。
私が今回の審査会で特にアドバイスさせていただいたのは、マーケティング力を磨くことです。
商品を買うことによって、「美味しさ」、「愉しさ」、「面白さ」など良い体験(ベネフィット)を確実に伝える努力をすること。
そして、それを裏付ける、原料、製造方法などの作り手のこだわり(特徴)をより具体的に文章化することです。
更に、それをPOP(店頭掲示用のもの)とパンフレットにまとめて作成することです。
キャッチコピーの技を磨き、読んでもらえるPOPやパンフレットを商品に添えることです。
スーパーマーケットのバイヤーは、POP作りが下手!
意外に思う方もいらっしゃると思いますが、スーパーマーケットのバイヤーやチーフは、売れる販促POPを書くのが下手です。
業界では、『コトPOP』と言う言葉が最近特に使われるようになっていますが、その真の目的は、売れるPOPを書く事です。
従業員に代わってPOPが営業をするということなのです。
生産者やメーカー(問屋)も、POPは小売店が書くものと思っていてはいけません。
製品に売れるPOPを付けて納品することが出来れば、販売力は大幅にアップします。
マーケティングに磨きをかける!
マーケティングで重要な考え方で、ターゲットの「買わない理由を無くす」と言う言葉があります。
文字通り、メーカーは、バイヤー(ターゲット)の視点で考えることができなければいけません。
その重要なことの一つに、納品ロットがあります。
全国的に競争は厳しくなり、競合他店に対して、自店の差別化をはかろうと考えているスーパーマーケットは、山ほどあります。
しかし、いくら良い商品でバイヤーが気に入ったとしても、納品ロットが多すぎれば、その時点で交渉はストップしてしまいます。
例えば、ドレッシングでその種類がある場合、一定のロットの中でこまめに種類をアソートすることや、全体の数量を低減して、トライアルできやすいようにしてあげれば、一気に取引相手を増やすことが可能になるのです。
小ロットにして、納品単価が多少高くなってもスーパー側は問題ありません。
無理してトライアルしてもらっても、ロスが出てしまえば、次のリピートには繋がりません。
ライフタイム・バリュー(顧客生涯価値)を考えることが重要です。
一回の取扱高が小さくても、お互いに信頼関係を構築できて(Win-Win)、長く付き合うことが出来れば、結果的にビジネスは上手くいきます。
こちらの都合の押しつけではいけません。
もう一度言います。
『買わない理由』をなくすのです。
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