人手不足が小売業を変える!小売業が取り組むべき改善策【ダイヤモンド・チェーンストア215原稿】
今回は、
より、戦略的な検知から考えてみましょう。
想像してください。
もし、グロサリーのバックルームに在庫が全くなかったら・・・?
納品されてきた商品が、全て1~2時間の内に売り場に補充(バックルームへの戻し残無し)されてしまう。
特売品などは、納品された後すぐに、陳列できるようにダンボールカットされ、専用カートに積み込まれる。
商品によっては、陳列用の専用カート(キャスター付催事台)に積み込まれ(陳列され)、移動の時を待つ。
当然、ダンボールなどのゴミは、バックルームで処理され片付けられる。担当者の移動も少ない。
「そんな夢のようなことは、うちでは考えられません」
と言う声が聞こえてきます。
しかし、本来、「戦略を考える」ということは、あるべき形(思い)に対して、どう現場現実を形作っていくかということです。
あるべき形(思い)の要求レベルの高さで、計画や方法、達成期間などが変わってきます。
「君の売場には、バックルームが有るじゃないか!」
私が、業務改善チームのリーダーをしていた時のことです。
ペガサスクラブの東京青山の研修で、特別に個別質問の時間を頂いた。
私は、新店の店舗図面をもって行き、レイアウトについて、質問しました。
「先生、弊社のレイアウトは・・・」
渥美先生から、
「君のレイアウトには、バックルームが有るじゃないか!」
という、予期せぬ一撃を頂いた。
「バックルームを減らしたな、もっと売場を広くできる」
という意味だったと思います。
「このオッサン、えらい事を言うな・・・」
と、正直思いました。
しかし、すぐ我に返り考えました。言われてみればその通りなのです。
そこ(売場)から売上が上がるのですから、売場を広くするという事は、非常に重要であるし、当たり前のことです。
要は、「だから、どうする!」ということなのです。
勉強不足で、物事を狭くしか見ることが出来ていなかった自分に、目からウロコの大きな発見を頂きました。
この様に、どこに着地点、目標を持つかが非常に重要でありますし、それが、高いレベルになればなるほど、脳みそに汗を書く事になります。
私はこの経験から、“物事に対するフォーカスの仕方”という大きな学びを得ました。
だからどうする・・・?
在庫が、少なくなれば、最低限のバックヤード面積で済みます。
その分、売場部分を広くできます。
そうなると、
納品される在庫に余分なムダがあってはいけません。
ムダがなければ、バックルームへの在庫戻しは無くなり、バックルームで補充のための在庫を探すという作業が無くなります。その分、投入人時数が激減します。
だから、
センターからの納品ロットの改善(適正化)が求められます。
発注から納品までのリードタイムも短いことが理想でしょう。
極端に言えば、お客様の少ない夜間や閉店後に発注して、次の日、担当者が出勤する前に店舗へ納品されることが理想でしょう。
発注制度も大きく向上します。
当然のこととして、店舗(特に売場)の面積と、受け入れる棚の尺数が必要になります。
そして、
一連の仕組みが、例外なく、定時定例で行われることが条件付けられます。
作業は日々平準化され、従業員の出退勤計画も組みやすくなります。
納品曜日毎に大きく変わる納品量によって、作業が思うように進まないというような、現場のストレスも大幅に改善できると思います。
どこに目標を設定するか
上述の事を「理想だ」の一言で終わらないでください。
先程も言いましたように、
目標をどこのレベルに設定するかということが、重要なポイントなのです。
その要求レベルによって、遣らなければならない事が変わってくるだけなのです。
決して、難しいことではありません。
目標を高いレベルに設定すれば、売場在庫の量(金額)から、その質(中身)に焦点を当てることになります。
先ずは、日々の販売量の多いものは、フェイシングを拡大し、在庫量を増やすことになります。
回転日数を下げて、発注回数と補充回数を低減し、投入人時数を低減する努力をすることになります。
逆に、販売ランクが低い物については、フェイシング、在庫量共に削減の対象となります。
それと、
バイヤーが設定した、重点販売商品の陳列方法などに注力し、陳列演出やプロモーションなど、差別化をはかることを行います。
「そんなことはうちでは出来ない」
と考えてしまうと、現場は何も変わりません。
現場最適化が基本
在庫に関わる一連のことの基本は、“現場最適化”です。
「現場(店舗)の作業工数を減らす」という考えが重要です。
決して、本部やセンター最適化ではいけません。
「現場の負担を如何に減らしてあげれるか・・・」
「単純作業の工数を如何に減らしてあげれるか・・・」
それが、本部の仕事です。
そのことによって現場は、付加価値業務の時間を増やし、
お客様に対するサービスレベルの向上をはかるのです。
それが、戦略です。
目先の物流費や商品原価などという、狭い見識ではいけません。
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