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親族と後見人の役割分担 ☆成年後見vol.10⑤☆

2012年10月8日 公開 / 2014年5月23日更新

テーマ:見守り契約 任意後見契約

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 成年後見 手続き

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
朝日新聞夕刊にニッポン人脈記「認知症のわたし」というシリーズ記事があります。
そこに、「家族の介護を奪わない」といものがありました。
介護においても、後見業務においても、親族との関係で心がけないといけないことは共通しています。

施設職員として看取りをしたときの経験からの気づきでした。
「懸命に介護しているつもりが、家族から介護を奪っていた。申し訳ない思いだった。
それ以来、○○は、家族との縁を切らないよう工夫してきた。(以下略)」

介護において、プロが存在し、プロは正しい介護を行うことができる。
けれども、家族が本人に関わりをもつ機会を奪ってはいけないと言います。

成年後見の仕事においても、親族以外の者が後見人を引き受ける場合、
何もかもを後見人がするつもりになると、後見人は仕事がしやすい面があります。
ところが、それではご本人にとって、幸せではないでしょうし、
ご家族にとっても、悔いの残る結果となると思うのです。
それでは、本末転倒です。

いかに家族を巻き込んで後見人として働くか。
それが、大切だと思います。

任意後見契約を結んでいるAさん。
最近、今までにない電話がかかってきたと心配になって、
その姪御さん達が遠方より訪ねていらっしゃいました。
Aさんは、ぱっと笑顔が出て、同席していた私も嬉しくなります。
姪御さん達は、かねてより、私と契約を結んだことを聞いておられましたし、
思いがけないことに、「契約をしてから、伯母が本当に明るくなった。」と言って、
任意後見人としての私を認めて下さいました。

私も、ケアマネージャーやヘルパーさんと共に、しっかりとご本人を守っていこうと思っていますが、
後見人ではどうにもならないこと、親族の方であればできること、
例えば、医療行為の同意などは、その役割を担ってほしいとお願いしました。
もちろん、ご本人の意向も、ライフプランとして文書にしていましたので、それもお伝えでき、
幸い、快諾していただけました。

姪御さん達にお目にかかれて、本当に良かったです。
初めは不安があったと思いますが、お話しする内に、だんだん笑顔が増えて来て、
これで安心して、後見業務を行っていけます。

笑顔の輪が広がりますように。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

お身内に、判断力に不安の出てきている方。
親族後見人や市民後見人をなさっている方。
成年後見人の申立をしようと思っている方。
佐井司法書士事務所では、ご相談を承っております。
お気軽にご連絡下さい。
ご連絡は、こちらまで(http://www.sai-shihou.jp/inquiry/index.html)
お電話では(06-6365-1755)「マイベストプロを見た」とお伝え下さい。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp


この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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