特別受益証明書を使った相続登記 ☆遺言・相続vol.9⑳☆

佐井惠子

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テーマ:相続


(夏の小樽の風景)

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
昔々は相続登記手続きに多用された特別受益証明書(民法903条第2項)。
その意味は、「生前に相続分に見合った財産を既に貰っているので、
今回の相続では新たに貰う取り分はありません。」というもの。
遺産全体を明らかにする必要がないため、その辺りのことを知らせたくない場合に、
この証明書を利用する場合があります。

司法書士としては、相続発生以前の贈与の有無やその額についても、
遺産全体の評価額についても、これを把握するのは難しいので、
特別受益証明書を使って相続登記をするという発想はないのですが、
弁護士さんからのご依頼では、時々、このような手法を取っておられるケースがあります。

もちろん、特別受益の事実があった場合もあるかもしれませんが、
例えば、ある相続人には、遺産がどれだけあるのかを知らせたくない場合や、
多くを受け取る相続人が代償金を支払うとしても、
AさんとBさんでは、代償金の額が違うといった場合に、便法として利用されているようです。

似たような制度に相続放棄がありますが、こちらの方は、家庭裁判所での手続きです。
また、申述期間が、自分が相続人となったことを知った時から3か月以内という制限があることなど、
印鑑証明書を添えて、紙一枚に実印を押して出来上がりの特別受益証明書と比べ、
ずっと重たい手続きとなります。

効果としての違いは、相続放棄では初めから相続人とならないので、財産も債務も相続しないのに対し、
特別受益者は、財産を相続するものはありませんが、
債務については、他の相続人と同様に、債権者から債務の履行を求められる恐れがあります。
そんなことで、債務がないことの確証のないケースでは、より一層注意が必要です。

笑顔の輪が広がりますように。

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