公正証書遺言の原本・正本・謄本 ☆遺言・相続vol.9⑮☆

佐井惠子

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テーマ:相続




こんにちは、司法書士 佐井惠子です。
公正証書遺言を実現しようと思えば、正本が必要です。
一方、謄本では、内容の確認はできますが、それで不動産登記申請をすることはできません。
原本は、公証役場で保管されていて、本人や証人の署名捺印があるものです。

公証人が、遺言者に遺言書を交付するときに話をされているのを聞いていて、
なるほどと思ったのですが、
本人の署名捺印がないので、これは本物かどうか疑わしいと思う方がいるようです。
そこで、原本・正本・謄本について説明してみようと思います。

公正証書遺言は、本人の署名捺印のある原本を一通作成します。
この原本は、公証役場から出さずに保管するので、
例え、本人が遺言書を紛失したとしても、原本は保管されているから、
いつでも再交付され安心だと言えるのです。

本人に交付されるものには、正本と謄本があります。
何れも、公証人が原本に基づき作成した謄本の一種ですが、
原本と同一の効力を有する書面を正本といっています。
内容は全く原本と同じですが、遺言者・立会人の署名・押印が省略され、
公証人が「これは正本である」と記し押印します。

遺言者が死亡した後、不動産登記手続きや銀行口座の解約手続などは、
全てこの正本によって行います。
謄本では、手元において内容を確認するために交付されます。
従って、遺言執行者がいる場合には、執行者には正本を、
遺言者には謄本を交付することになります。
遺言執行者がいない場合には、遺言者に交付されています。

お手元の遺言書が正本か謄本かは、遺言書の最後を確認いただければわかります。
遺言執行者がいない場合に、正本を誰が保管しておくのがいいかは、
ケースによって異なるでしょう。
そんなことも、お気軽にご相談下さい。

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