親族後見人でなく、専門職後見人が選任される場合 ~☆成年後見 vol.8①☆~
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
成年後見人は、度々、家庭裁判所に報告をしますが、
ご本人が亡くなった後の報告には、心に去来するものが多々あります。
今日は、事務所でその報告書を書いていました。
裁判所の事件番号は、平成19年(家)第○○号成年後見人選任事件ですから、
ご本人とは、5年強のお付き合いになります。
司法書士の中でも、成年後見人を引き受けることを躊躇する人が多いのは、
本人がいつかは亡くなるということ、
24時間、いつ連絡が入るかわからない状況に、とても一人では対応できない。
そんな理由があるのではないでしょうか。
それは否定しません。
でもね、私が、それでも成年後見人の仕事を続けているのは、
現場の仕事をする手応えと、
一生の最終章にあたる時に出会い、その最終章を、最後は良かったねと終われるようお手伝いすることに、
喜びを感じるからかもしれません。
事務所としても、司法書士がいて事務局がその補助をするというのではなく、
全員が、同列になるときもあれば、私が事務局に引っ張られながら進んでいくということもあり、
そういう一体感を感じる仕事だから、私が楽しいのかもしれません。
携帯電話の番号を知らせておくとか、
事務所の電話を、業務時間以外は私の携帯電話に転送するようにしておくなど、
常に連絡が取れるように心がけています。
後は、施設の方や、介護サービス事業者の方々、あるいは民間の会社の方の力をいただきながら、
ご本人が頑張って残した資産を使って、快適に過ごしていただけるよう努力しています。
介護サービスのメニューは、いわば定食です。
考えなくてすむし、便利ですが、たまには贅沢しても、良い!位に思っています。
自費でも、予算が許せば、いいと思った物は取り入れていきます。
また、医療機関と特別養護老人ホームなど、関係者同士のコミュニケーションが上手く取れていなかったとき等、
成年後見人として、ご本人の立場から、こちらの希望を通し、
両者の意見をすりあわせる役回りができるのも、第三者後見人ならではでしょう。
振り返ると、成年後見人として育てていただいた感謝がありました。
そんなことを思いながら、家庭裁判所への最後の報告書を書きました。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp