成年後見人ならではの不動産売買 ☆成年後見vol.8⑲☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
成年後見人となっている高齢のご婦人には、お孫さんが数名いらっしゃいます。
最後の独身のお孫さんが結婚されるにあたり、ご家族から、ご祝儀をどうしようという相談がありました。
インターネットでも、「結婚・ご祝儀・相場」という検索語を打ち込むと、
「どの位しないといけないか。」だとか、「そもそも祝儀は必要か。」だとか、
皆さんも、絶対的な正解がないことだけに、困っておられるようで、
そのような質問サイトがにぎわっています。
今回は、相場もさることながら、成年後見人が就任しているケースで、
果たして、結婚のご祝儀を出していいものかどうか、というご質問でした。
既に結婚なさったお孫さん方、一律に10万円をお祝いしてこられたとのこと。
成年後見人がついたとしても、最後の方だけお祝いなしというのも気の毒ですし、
きっと、ご本人がお元気であったなら、喜んでお祝いをされていたでしょう。
金額も、とびぬけて高額とは言えません。
ご相談に、二つ返事で了解しましたと言いそうになったのですが、
念のため、家庭裁判所に相談させてくださいとお話しして、電話で確認をしました。
成年後見人が適当と思えば、他のお孫さん方と同額で、またその金額であれば、
お祝い金として出費しても、裁判所はとやかく言いませんという結論でした。
ご本人が、お祝いなどをする必要なしと明言されていた場合や、
特に、そうと推定される場合は、お祝いを控えてもいいのでしょうが、
そうでない限りは、他との均衡や、世間の相場と管理している財産とを見比べながら、
親族の方と相談をして決めるといいですね。
後見人がついているからと、諦めなくてもいいケースでした。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp