文藝春秋七月号「私の自筆遺言証書を公開する」野口 健氏の場合 ☆遺言・相続vol.7⑩☆

佐井惠子

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テーマ:相続





こんにちは、司法書士佐井惠子です。
これが最後です。自筆証書遺言特集 野口 健氏にひとこと。
配偶者と母親、そして自分が設立した基金。この三者に対して、遺産を残す遺言です。

遺言を書かない代表的な意見を、先ず語ってくれています。
~抜粋~
お金や不動産について考えることは、そもそもエネルギーが必要な行為。
できるなら避けたいというのが男の本音です。
これまで自分がいくら持っているかもしりませんでしたし、銀行口座の管理もカミさん任せ。
カミさんが先に死んだら、きっと僕は生活できません。これが男の弱点です。

それでも、法定相続人ではないけれど、自分を苦労して育ててくれた母親に、
いくらかでも残したい。
これには、誰も文句は言えませんね。

登山をサポートしてくれる現地のシェルパが事故で亡くなった時の保障として、彼が、シェルパ基金とマナスル基金を設立していたのを、存続のために追加で遺贈したい。
これは、いかにも野口さんならではですね。
遺言で突然というのより、前々から、寄附する先とかかわりをもって信頼できる先に遺すのは上手な方法です。

最後に、戒名と葬式は不要である旨・・・。ここで、困りました。
自筆証書遺言は、亡くなってすぐに開封してはいけません。
家庭裁判所に検認手続きをしますが、どうしても日数がかかります。
一方、お葬式は亡くなってすぐです。
遺言を開いたときには、お葬式は終わっています。別に用意しておいてほしかったですね。

最後に、「もめごとを残して死んでいくのは、一番よくないことだし、
決して誰も望んではいないでしょう・・・」といい、
自分のための「死んでいくための準備」としての遺言ではなく、
家族への「思いやり」としての遺言を書いてみようと締めくくっています。

山頂で、何度も書いた経験が、そのような結論に導いたのだと思います。

司法書士佐井惠子
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