親族後見人は最良の選択か ☆成年後見vol.11⑬☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
病院に入る時や、施設に入る時、後見人として契約するわけですが、
その際、保証人になることを求められる場合があります。
親族といった関係がない限り、後見人は保証人にはなるべきでないと考えています。
病院や施設が保証人を求める理由の一つに、支払いの確保があります。
これについては、後見人として本人の財産を把握しているので、十分支払えることを説明すれば、問題ありません。
治療上の必要があって、個室に入らないといけないときに、
差額ベッド代が払えそうにない、あるいは、今後を考えると差額ベッド代の支払いが厳しいと思ったときには、
後見人として、病院側と、ひと月の差額ベッド代の上限を決めるという話をさせていただくこともあります。
その他には、病状や症状が急変したときの連絡先、更にはご本人が死亡となったときに備えて、
また、ご遺体の引き取り先の確保を想定しているのだと思います。
急変については、連絡をもらっていますし、私の携帯電話番号も知らせていますが、
ご親族がいらっしゃる場合は、亡くなったときにも心配ないことなどを説明します。
だんだんと、そのあたりのことは浸透してきていると思います。
そもそも後見人には、保証人になる、そんな権限も義務もありません。
でも、最初に、後見人は保証人になるべきではないとまで言った理由は、
保証人として本人に代わって支払いをしたときには、
法律的には、後見人がご本人に対して求償権を持つことになることにあります。
つまり、ご本人と後見人間に、利害相反する関係が生じるということです。
そういった関係は、ご本人の保護のために相応しくありません。
保証人がいないと、病院や施設に入れないと心配することはないし、
親族ではない第三者後見人ですので、そこはクリアできると思っています。
司法書士佐井惠子
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