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抵当権抹消登記の前に、相続登記を済ますべし ☆相続・遺言vol.6⑲☆

2011年2月25日 公開 / 2011年4月9日更新

テーマ:不動産の登記

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き


こんにちは、司法書士 佐井惠子です。
住宅ローンを借りるとき、合わせて、債務者が団体信用生命保険に加入する場合があります。
例え、完済途中で死亡した際にも、債権者は、保険金で残債務の弁済を受けることができ、
遺族も、これによって債務はなくなり、引き続き家に住み続けることができ、
保険会社は、商売繁盛・・・という、三方よしの仕組みです。

ここのところ、この生命保険によって債務を完済し、
抵当権抹消登記をご依頼いただくというお仕事が続きます。
ところが、すぐに着手できる場合とできない場合があります。
何がその分かれ目となるかといえば、他に共有者がいるかどうかです。

単独で所有していた場合は、亡くなった所有者から委任状はいただけないので、
相続登記を先に済ませ、その後、抵当権抹消登記をします。
遺産分割が何年かかろうと、失くさないように保管して待ち続けます。
ところが、他に共有者がいる場合は、弁済による抵当権抹消登記の申請は、
他の共有者からの登記申請で対応できます。

民法では、共有物に変更を加えるとき、他の共有者の同意が必要で、
共有物の管理に関することは、各共有者の持分に従いその過半数で決め、
ところが、保存行為については、各共有者がそれぞれ単独で行えるとしています。
弁済によって、当然に消滅した抵当権の抹消登記申請は、この保存行為に当たるわけです。

そんなことで、生命保険金による弁済という同じ原因による抵当権抹消登記であっても、
共有者の存否によって、すぐにできるケース、できないケースがあるわけです。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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