自筆証書遺言を使いやすくする改正 ☆遺言・相続vol.10③☆
こんにちは、司法書士 佐井惠子です。
遺言執行者にいったん就任すると、簡単には辞任できません。
就任するかどうか、自分にできるかどうか、よくよく考えて引き受けて下さい。
たとえ、遺言書で指定していたとしても、辞退することはできます。
代わりの執行者は、家庭裁判所が選任してくれますので、心配無用です。
受贈者の内の一人を遺言執行者に指定した遺言。
遺言執行者となって本来なすべきことも、お勤めが多忙なために進みません。
銀行での解約手続きも、執行者本人が出向かないとできませんし、
どうしたものかとご相談を受けました。
できるだけ、代わりの人が下準備をしておいて、
最後に遺言執行者本人が窓口にいくという方法をお勧めしました。
それもできなければ・・・、辞任をしてもらうことを考えます。
その場合、「正当な事由」が必要で、その有無は家庭裁判所が判断します。
「正当な事由」とは、長期の病気や出張、多忙な職務などです。
勝手にはできません。
遺言執行も辞任もしてくれないときは・・・困りましたね。
そんな場合は、利害関係人から家庭裁判所に対して、解任する審判を求めます。
解任は、「任務の執行を怠ったとき」「その他正当な事由があるとき」と、
裁判所が判断したときに認められます。
例えば、全く何の仕事もしないとき、あるいは一部の行為しかしないとき。
また、長期の病気や不在、相続人の一人に有利な取扱いをする等といった場合。
相続手続は、ともかく、時間と手間がかかります。
基本的に、誰かに代わってもらえるものではありません。
執行者に指定されているのを知った時、よく考えて・・・、
辞退するならその時です。
その時なら裁判所に関係なく自由にできますから。
司法書士佐井惠子
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