親族後見人でなく、専門職後見人が選任される場合 ~☆成年後見 vol.8①☆~
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
後見人をつけると選挙権を失うというのは、憲法違反だとして、
国を相手取って、選挙権があることの確認訴訟を東京地裁に提訴した。
2011年2月2日日本経済新聞朝刊によると、
48歳の知的障害のある女性が、初の選挙権の存在確認訴訟を起こしたとして、
成年後見制度に一石を投じたことを紹介しています。
私も、申し立てをする際に、「後見人がつくと選挙権はなくなります。」と、
説明させていただいていました。
それを避けるため、あえて、保佐で申し立てるというケースもあるように聞いています。
この記事を見て、後見人になっている方々のお顔を思い浮かべ、
候補者個人名は出て来なくても、お尋ねすれば、支持政党は仰りそうだとか、
とてもとても、寝たきりで、そんなこと難しそうという方もいらっしゃいます。
被後見人は、財産行為は後見人が代わって行いますが、単独でできることもあります。
例えば、遺言です。
一時的に自分の行為の結果について合理的な判断をする能力が回復した時に、
医師二人以上の立ち会いがあれば、遺言をすることができます。
常にでなくとも、その時はっきりとしていれば、可能となるのです。
その他には、婚姻や離婚。認知に養子縁組。
これらは、後見人の同意を要さないだけでなく、医師の同席も求めていません。
記事によれば、「後見を受ける人の判断能力を選挙のたびにチェックするのは
事実上困難」(総務省)と、
認められていない理由を紹介しています。
でも、不在者投票を利用したらどうでしょうか。心配なら、医師の立ち会いも可能では。
ぜひぜひ、個別対応を望みます。
ご本人の勇気ある行動と、それを受けて戦う弁護士さんに、敬意を表し、
今後の、裁判の行方を見守ります。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com