生死不明者と失踪宣告 ☆遺言・相続vol.3⑱☆
みなさん、こんにちは。司法書士佐井惠子です。
7年間、不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、
死亡したものとみなす効果のある、失踪の宣告をすることができます。
行方がわからない100歳以上のお年寄りが、続々と確認されて、その多さに驚きました。
一方で、100歳未満の方まで含めれば、いったい何人に?
本当に、どこへ行ってしまわれたのでしょうか。
行方不明となった方のお仕事をしていると、
ご家族が、失踪宣告を申立てるかどうか決心するには、7年間は短すぎるのでしょう。
もっと長期間が過ぎて、亡くなってしまったのかなと、ようやく諦めがつき、
ご自身も高齢となってきて、きりをつけないといけないと思い、
周りも薦めるので、それでは失踪宣告の申立てをしようと決心するというのが、
私の知る限りの実態です。
失踪宣告の申立とは、一番身近な人、多くは残された配偶者が生存の可能性をあきらめて、
亡くなった可能性を受け入れる行為です。
ハードルが高いのも頷けます。
行方不明だけでは、市役所は死亡届を受理しないはず。
やはり、失踪宣告の申立てが今後増えていくことになるのでしょう。
それにしても、消息がわからなくなっても親族が探さないなんて、
誰が想像できたでしょうか。
司法書士佐井惠子
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