年内決済めざし、マイホーム売却許可申立て ☆成年後見vol.4②☆
みなさん、こんにちは。司法書士佐井惠子です。
ずっとご家族に贈与を続けてきた方で、
ご本人が将来の療養看護に十分な財産が存在する場合は、成年後見人がつくようになった後でも、
それまでと同じ金額の範囲内で続けることは認められてよいという裁判所の見解があります。
基本的には、ご本人の財産を贈与などによって減らすことは認められません。
従って、法定後見人が就任した後に、相続税対策のための生前贈与を始めるということは、できないことです。
それだけに、ご本人がずっと以前より主体的に生前贈与を続けてきて、
財産も十分にある方については、それまでと同じ額内であれば続けていいというのは、
法定後見人については画期的な見解です。
実際には、予め、裁判所と相談の上で行うことになるでしょう。
一方で、任意後見人の場合は、生前贈与や寄附を続けるのは基本的に可能です。
任意後見契約でそう定めておけば問題ありません。
また、推定相続人を増やすという意味で、孫との養子縁組を考える場合もあるようです。
でもこれは身分行為で、一身専属権です。
後見人といえども、身分行為をご本人に代わってすることはできません。
結婚も、離婚も、養子縁組も離縁も、遺言も同様です。
もっとも、これらの身分行為は、ご本人がその時点で意思能力を有しているときは、
ご本人単独で行うことができます。
相続税対策の必要な方は、任意後見契約をしておくことが、
対策を終えるまでの時間を確保することに繋がると思います。
司法書士佐井惠子