対面キッチンのメリット
2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、今や和食は世界中で注目されています。それではその世界に誇る日本の食文化を支え続けててきたキッチンの歴史を振り返ってみましょう。
台所の起源は平安時代
今ではキッチンという言葉は日本中に浸透していますが、従来はキッチンの事を「台所」と言っていました。
そもそも「台所」の語源は、平安時代の「台盤所」からきています。「台盤所」とは平安貴族が食生活を行う場所を指しますが、配膳の為の「盤(皿)」を載せる台が置いてあったことからその名がつき、台の上に皿を乗せて食事をするから「台所」となったようです。
元来、日本の住宅は、歴史的に「床座文化」によって発展したこともあり、江戸時代の台所は座ったままで作業するように作られていました。したがって火や水を扱う台所作業は立ったりしゃがんだりの繰り返しで大変な重労働だったようです。
大きな変革は大正時代
大正時代になると電気、ガス、水道の普及や大正デモクラシーの風潮で知識人の間では台所の開拓運動が沸き起こります。当時、住宅改良会が作成した「台所設計図案等当選案」(下記イラスト)のような立動式でコンパクト設計の台所が考案されるようになりました。
今から100年前の大正時代にすでにシステムキッチンの原型が設計されていたのです。
台所からキッチン、そしてシステムキッチンへ
ステンレス製流し台が初めて取り付けられたのが1956年(昭和31年)で、公団晴海住宅が最初です。それまでの流し台は木製亜鉛鉄板張りや人造石の研ぎ出しが主流でしたが、清潔感溢れるピカピカのステンレス流し台の登場によって、これまでの台所の概念が様変わりすることになります。いわゆる洋風の生活スタイルが定着得ることになります。
ダイニングキッチンが普及することににより、キッチンにも技術革新が起こり、人水と調理作業が一体となった現在のシステムキッチンへと変貌を遂げることになります。
台所は立ったりしゃがんだりという重労働の作業から、北側の暗くてジメジメした場所に押し込められていた時代を経て、暮らしの近代化、先人の知恵と努力によりダイニングキッチンへと変化し、誰もが衛生的、効率的、そして快適に料理ができるシステムキッチンへと進化してきました。
日本で初めてシステムキッチンが登場したのは、1973年(昭和48年)にクリナップが自社ショールムに展示したことにさかのぼります。
そこからシステムキッチンは徐々に認知され、昭和の終わりから平成にかけて普及していきます。
昭和から平成にかけて普及したシステムキッチンです。
システムキッチンは今や、大きな進化を遂げて住宅設備の主役に位置しています。
住宅が「IOT」や「AI」といったIT技術が急速に進化している昨今、システムキッチンも新たな技術革新時代に合わせた機能性が求められることでしょう。
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