第9回 チーム一体化!共通目標は「ロス削減」から

誰よりも頑張っているのに、どこか自信が持てない。スタッフを褒めてはいても、自分自身のことは否定ばかりしていないでしょうか。 「自分はまだまだだ」という謙虚さは美徳ですが、度を越せば組織の停滞を招きます。 第20回は、店長が自らの歩みを認め、「自己承認」することで、チームに真の活気をもたらしたお話です。
コーチングを始めて半年が経過しました。 店長は、対話の時間を自ら作り、ロスを削減し、権限委譲によって「自分がいなくても回る店」の土台を築き上げました。客観的に見て、彼は見違えるほど成長していました。しかし、面談での彼は意外にも浮かない表情でした。 「スタッフはよくやってくれています。でも、私はまだ店長として、理想のレベルに全く到達できていません……」彼は、できたことよりも「できていないこと」に目を向け、自分を責めていたのです。 私は彼に強く伝えました。 「自分を認められないリーダーは、本当の意味でスタッフを認めることはできない。まずは君自身が、自分の変化を『自己承認』しなさい。」
【「できたこと」を可視化する】私は彼に、この半年間で起きた「事実」を書き出させました。
・スタッフとの個別面談を毎週継続している。
・ロス率が3%改善し、利益体質に変わった。
・自分が休んでも、スタッフが自律的にトラブル対応をした。
書き出されたリストを見て、店長は驚いたような顔をしました。一つひとつは小さな一歩でも、積み重なれば巨大な成果になっていたのです。 「これ、全部君が仕掛けたことだよ。君が変わったから、店が変わったんだ。」
【自己承認が「余裕」を生む】
自分を認めることは、甘えではありません。自分の「現在地」を正しく受け入れる儀式です。 店長が自分自身の成長を認め、自分に「合格点」を出せるようになると、不思議なことにスタッフへの接し方がさらに柔らかくなりました。これまでは「自分が完璧でないから、もっと厳しく指導しなきゃ」という焦りがありましたが、自己承認によって心に余裕が生まれたことで、スタッフの小さなミスも「成長のプロセス」としておおらかに受け止められるようになったのです。リーダーが自分を信じている度合いだけ、チームは遠くまで行けます。 店長は、自分自身を承認することで、ようやく本当の意味で「チームの羅針盤」になることができました。
【コーチの視点】
リーダーは孤独です。誰からも褒められない日の方が多いかもしれません。 だからこそ、一日の終わりに自分自身に「よくやった」と言える強さを持ってください。 あなたの自己承認が、チームを照らす光になります。
次回は、「第21回:マーケティングと経営を「自分事」にする図解術」です。


