「面談が苦手」から解放!「上手くいかせる進め方」があった~効果的な面談の流れ

神野沙樹

神野沙樹

テーマ:いきいき会議のコツ(組織活性)


今日は、上司のYさんの相談を受けたニー。
Yさんの悩みは、「部下との面談が苦手」だそうだニー。

面と向かって「何を話せばよいのか分からない」らしいニー。
面談を「良い時間」にするにはどうしたら良いかニー?

1.面談を上手くいかせるため進め方3つのコツ

せっかく「面談」の時間を作ったのに、無言の時間が過ぎていったりすると、勿体ないですよね。

効果的な面談のすすめ方とはどんな流れでしょうか。

まず、進め方の3つのコツを見ていきましょう。

(1)自分が話す場ではなく「相手が話す場」と捉える

「面談」というと、上司の方はつい「自分が話さなければ」と考えてしまいがちですが、その考えを捨てましょう。
上司が話す場ではなく、上司は「聴く場」

いかに部下に話してもらうかに注力すれば、色々な話を聴くことができます。

なお、「上司が意見を言ってはいけない」というわけではありません。

こちらについては、後ほど「効果的な面談をするための流れ」を説明します。

(2)色々な方向から深堀する質問力を身につける

「面談で質問する」というと、上司の方は、仕事面や生活面等、様々な種類の質問をされることがあります。

もちろん様々な種類を準備しておくことも大切なのですが、「部下から出てきた言葉」を深堀する質問のバリエーションを持っていると、「深い対話」をすることができます。

例えば、部下から「私、いまの仕事は向いていないと思うんです」と言われ、「そうなんですね」とだけ回答してしまうと、そこで話が終わってしまいます。

これでは、部下がいくら話しても、上司が様々な種類の質問を準備していても、時間を持て余してしまいます。

イメージで言うと、質問を横に広げるのではなく、縦に深く掘っていく感じです。

深堀する質問例について、もう少し知りたい方はこちらのコラムをご覧ください
部下との面談、質問事項はどうする?目的別の質問サンプル付

(3)時間・メモに気を取られないように

上司も部下も忙しい。
ですから、「面談は時間を守って、ダラダラ話し込まないようにしよう」と心掛けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、それはその通りです。
しかし、気を付けたいのは、面談時間や、一言一句聞き漏らさないように注意するあまり、「面談に集中できていない」状況です。

例えば、時計ばかりを気にする、部下が何か言うたびメモを取っていて、相手の顔を見れていないことがあります。

時間は、5分前とジャストタイムにアラームを掛けることで、時計を見ることが無くなります。

メモは、とても気になったキーワードくらいは構いませんが、30分程度の面談であれば、面談中はメモを取らず、面談後気になる項目を書き起こすようにしましょう。
その方が意外と集中して相手の話が聞けます。

2.効果的な面談の流れ~この型にあてはめれば上手くいく

それでは、効果的な面談の流れを見ていきましょう。

【面談前:声掛けを一工夫する】

効果的な面談は、「面談前」から始まっています。
面談前の声掛けについて詳しくしたい方は、以下のコラムを参考にされてみてください。
面談の声掛け~効果的な面談は「面談前」から始まっている

【面談開始:話の始め方】

「さて面談開始!」という際、のっけから上司が「今日の面談の目的はね…最近私は思うんだけどね…」と長々と話し始めると、部下が話すことをやめてしまいます。

次のようなスタート、問いかけが有効です。

「今日は、半期に一度の面談です。
私からどうこう、というより、○○さんが最近感じていることや気になっていることを聴けたらと思っています」

【はじめの5分~10分:部下に「はなしてもらう」時間】

面談開始後5~10分は、必ず部下に「はなしてもらう時間」にしましょう。

この時間は特に、メモを取らず、しっかりと相手の顔を見ましょう。

そして、ポイントとなるのは「あいづち」です。
言葉数は要りません。

次のような「あいづち」をしてみましょう。

「へぇ、嫌だったんですね」(おうむ返し)
「なるほど。それで、それで?」(促す)
「うん。・・・うん。」(うなづき)
「そうなんだ、例えば?」(広げる)


【中盤の時間:部下の話を「広げ、深める」時間】

面談開始後5~10分で出てきた部下の話をさらに深堀してください。

「さっき○○って言っていたけれど、例えばどういうときに感じる?」
「××について悩んでいるということだったけど、それ以外の仕事で同じような気持ちになることはある?」
「△△が自分に合わないと言っていたけれど、反対に『これは楽しい!自分に合っている』と感じることはある?」


この質問をするには、冒頭の部下の話をいかに注意深く聴くことができているかが重要です。

【面接の終了3~5分前:質問・意見を尋ねる時間】

終わる前には、必ず質問タイムを設けましょう。

次のような声掛けが有効です。

「私から聴きたいことは以上なんだけど、何かほかに言いたいことや聴きたいことはある?」

まだ言い足りないこともあるかもしれませんし、何より「最後までしっかり話を聴くよ」という想いを伝えることができます。

【面接終了:感想・感謝を「自分目線」で伝える時間】

最後は、必ず感想と感謝を伝えて終了しましょう。

ポイントは、主語を「私は」にしたメッセージにすることです。
例えば次のような伝え方です。

「(私は)今日は内容の濃い30分を過ごせて、本当に良かった。
(私は)時間を取ってくれて感謝しています。ありがとう」


「感謝」の反対は「当たり前」だといいます。
「面談をするのは業務上当たり前」ということではなく「時間を取ってくれたこと、互いにいい時間を過ごせたことに感謝」という想いを持って相手に伝えることで、「次につながる面談」となります。

3.まとめ

今回は、「「面談が苦手」から解放!「上手くいかせる進め方」があった~効果的な面談の流れ」を見てきました。

面談は「相手との距離を縮めて、相手の考えていることを聴くこと。それを今後につなげるため」に行うものです。

そう考えると、例え愚痴ばかり出てきたとしても、愚痴を吐き出して「次につなげる」ことができれば、それはそれで良いのです。

体の中にたまっている想いを吐き出さないことには、なかなか新しい考えや仕事は入って行かないからです。

面談に苦手意識を持っている方はもちろんの事、特に苦手意識を持っていない方も、ぜひ自分がやっている進め方と照らし合わせて頂けたらと思います。

ご紹介した「進め方」を実践すれば、必ず「部下が話してくれる面談」になります。

参考になれば幸いです!

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神野沙樹
専門家

神野沙樹(社会保険労務士)

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

経営者様、社員のみなさん自身による「就業規則」や「評価制度」づくりをサポートする社会保険労務士。第三者の立場として「制度づくり+人づくり」を促し、真にイキイキとした職場づくりを提案します。

神野沙樹プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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