社内で実践!働き方改革の進め方(2)知る~多様な働き方って、例えば何?(社内編)
就業規則にイラスト入りは有効か【実例比較】
いくつか、イラストがある場合とない場合を比べてみましょう。
まず、厚生労働省がだしている「雛形」の就業規則です。
同じ項目に、「イラスト」を入れるとこんな風になります。
字体が違うということもありますが、
みなさんが「パッとみたとき」に読んでみようかなと思うのはどちらでしょうか。
このコラムでは何度も書いていますが、誰にも読まれない、
誰も内容を知らない、何かがあったときにしか引っ張り出されない就業規則は、
リスクヘッジという側面しか満たしていません。
もっと有効に活用するならば、自分たちの働き方はどうで、
自分たちが大切にする行動は何かを明確にし、社内だけではなく、
取引先様やこれから応募する方に対するアピールにも伝えていくことが考えられます。
そう考えると、「見向きもしない就業規則」ではなく
「みようと思う就業規則」は大変意味があり、イラストは大きな効果を発揮します。
また、懲戒や禁止事項などを書く場合も、イラストがあることで、
読み手がすんなりと受け入れることができたり、イラストでイメージしてから本文を読むので、
伝わりやすいというメリットもあります。
現に、イラスト入りの就業規則を見たときの社員さんは
「何これ!」と興味深くみていらっしゃることが殆どです。
ぜひ有効に活用されてみてはいかがでしょうか。
賛否両論?就業規則にイラストを入れてみた
例えば、みなさんの会社の就業規則に「イラスト」や「挿絵」、
あるいは「マンガ風のタッチ」が描かれていた場合はどのように感じますか?
弊社がイラスト入りの就業規則をお見せした時の会社様の反応は、まさに「賛否両論」です。
「ルールなんだから、こんなポップな印象はいらない」とおっしゃる方と、
「いいね!就業規則って、こんな感じでもいいんだ?これ、ウチもやりたい」とおっしゃる方。
「価値観がそれぞれだから」といえばその通りですが、なぜ意見が分かれるのでしょう。
言い方を変えれば、イラスト入りの就業規則は、みなさんの会社には適しているのでしょうか。
イラスト入りの就業規則を用いるかどうか見分ける視点
一般的に就業規則といえば、「第1章 総則、第1条(目的)」といった内容からスタートします。
文章の表現も、「●●してはならない」「●●しなければならない」といった、
法律がベースの堅い文章です。
もし、この堅い文章にイラストが入っていたとしたら…。
少し違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、例えば、書いてあることは少し硬めであっても、
文末がですます調(●●してはなりません、●●していきましょう)であれば、
少し柔らかい表現になり、イラストがあっても違和感はないかもしれません。
もう少し言えば、このサイトでも紹介しているように
「服務規律」ではなく「私たちが守っていくルール」
「懲戒」ではなく「仲間として許せないこと」
という表現に変えていったとしたら、イラストがあっても全く違和感はありません。
何が言いたいかというと、
御社の就業規則の意味づけによって、イラストの価値は変わるということです。
つまり、「とりあえず法律で定めてあるから仕方なく就業規則を作っている」という場合は、
イラストが入っていても意味がありません。
しかし、就業規則自体を、会社の魅力を伝えるツール、
あるいは会社一丸となるためのツールだと考えた場合(働き方改革のすべてがつまった就業規則。自分たちの働き方を体現するツールにする方法)は、
イラストを入れて、読み手の関心を引くことはとても意味があります。
御社の就業規則は、どんな位置付けですか。
あるいは、どんな位置付けにされたいでしょうか。
■まとめ
今回は、就業規則(働き方ハンドブック)にイラストを入れてみるということを見てきました。
イラストを入れる目的は次の3つです。
1.読み手の興味を引く
2.難しい・厳しい内容も受け入れやすくする
3.堅い内容をわかりやすくする
これらを踏まえて、イラストを入れたほうが良いかどうかは
「御社が就業規則を何のためにつくるか、備えおくか」という点にあります。
もし、社内の統制を図るという意味だけではなく、社内の絆を強め、
取引先や社外、これから応募してくる仲間に対するPRツールとして使うということであれば、
イラストは大変有効です。
プロのようなイラストではなくても結構です。
むしろ、社内で「絵を描くことが好きなひと」を連れてきて、
どこに、どんなイラストを入れようと考えるだけでも、
自分たちの働き方に興味を持つ一つのきっかけになります。
ぜひ、お試しください!