受動喫煙防止の助成金について

神野沙樹

神野沙樹

テーマ:助成金に関すること

 受動喫煙防止対策助成金制度について説明します。この助成金は、顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している旅館、料理店又は飲食店を営む中小企業に対し、喫煙室や換気装置の設置等の設置等の取組に対し助成することにより受動喫煙防止対策を推進することを目的としています。
受動喫煙(他人のたばこの煙を吸ってしまうこと)は、がんを始めとする多くの疾病のリスクを高めるなどの健康への悪影響があることが科学的証拠により明白に証明されています。
 近頃は喫煙の有害性の知識の普及や健康志向の高まりから公共施設などでは禁煙が定着し、個人のレストランなどでも分煙がすすんでいますね。これから分煙などを検討されている旅館、料理店又は飲食店のかたは利用されてみてはどうでしょうか?

例)喫茶店では、喫煙席がガラスの仕切りで完全に別室にする。
  旅館であれば、完全別室を設置する。などです。

●健康増進法 第25条●
「学校、体育館、病院、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店、その他多数の者が利用する施設を管理するものは、これらを利用する者について、受動喫煙(室内またはこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」
と明記されています。


◇どんな事業主が対象?◇
以下の全てを満たす事業主を対象とします。
①労働者災害補償保険の適用事業主。
②中小企業事業主※
③飲食店営業、喫茶店営業、又は旅館業を経営する事業主。
④③の営業を行う事業場で、室内又はこれに準ずる環境において、客が喫煙できることを含めたサービスを提供する場合、喫煙室以外での喫煙を禁止するため、喫煙室を設置する事業主。
⑤喫煙室設置の際の書類を適切に保管していること。
※ その資本金の額又は出資の総額が三億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については五千万円、卸売業を主たる事業とする事業主については一億円)を超えない事業主及びその常時雇用する労働者の数が三百人(小売業を主たる事業とする事業主については五十人、卸売業又はサービス業を主たる事
業とする事業主については百人)を超えない事業主をいう。

◇助成額は?◇
受動喫煙防止対策として喫煙室や換気装置の設置等の措置を行った場合に、その経費のうち、工費、設備費、備品費及び機械装置費等の実支出額の合計額の4分の1が支給されるというものです。
(ただし、上限を200万円とします。)


◇職場における喫煙対策◇
助成金の対象ではありませんが、職場においても、同じ空間にいる時間が長いため、受動喫煙防止対策の重要性が高いと考えられます。職場における労働者の健康の確保や快適な職場環境の形成の促進の観点から、受動喫煙を防止するための労働衛生上の対策が求められています。
職場で働く方たちの健康のために、受動喫煙防止対策をすすめましょう!

参考)厚生労働省ホームページ内「職場における喫煙対策のためのガイドライン」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/05/h0509-2a.html

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神野沙樹
専門家

神野沙樹(社会保険労務士)

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

経営者様、社員のみなさん自身による「就業規則」や「評価制度」づくりをサポートする社会保険労務士。第三者の立場として「制度づくり+人づくり」を促し、真にイキイキとした職場づくりを提案します。

神野沙樹プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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