平成26年4月から産前産後休業期間中の保険料免除が始まりました
「社会保障と税の一体改革」に関連する法案がいくつか成立しました。(180回通常国会)
税制については、消費税率の段階的な引上げに関する法案が成立し、社会保障制度については、年金制度に関する重要法案が2つ成立しました。
施行されるのはまだ先ですが、重要な改正ですので、概要を紹介します。
◆◆◆税制改革(消費税関係)◆◆◆
消費税の税率を段階的に引き上げる。
○現在5%(国税部分4% 地方消費税分1%)
●平成26年4月より ⇒ 8%(国税部分6.3% 地方消費税1.7%)
●平成27年10月より ⇒ 10%(国税部分7.8% 地方消費税2.2%)
◆◆◆社会保障制度改革(年金関係)◆◆◆
財政基盤及び最低保障機能の強化等<主要項目>
----- ① 老齢基礎年金の受給資格期間が10年あれば年金が受給できるようになります。 -----
公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のために期間が短縮されます。
*現在老齢基礎年金を受給資格するには25年以上受給資格期間が必要です。25年には、学生免除特例や全額免除など免除手続きをした期間も含みます。
【平成27年10月から施行されます】
----- ② 平成26年度から基礎年金国庫負担1/2が固定されます -----
*基礎年金の給付は主にその半分が国庫負担でまかなわれ、残りの半分が保険料でまかなわれています。
つまり、払った保険料より国庫負担分が上乗せされることにより2倍の給付を受けられます。
【平成26年4月から施行されます】
----- ③ 短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用範囲が拡大されます -----
(a)1週間の労働時間が同じ事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であるもの
(b)1月間の所定労働日数が同じ事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満であるもの
③(a)(b)のうち、次の(1)から(4)までの要件に該当するものは、厚生年金保険に加入することとされました。
(1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
(2)当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること。
(3)報酬(最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するものを除く。)の月額が88,000円以上であること。
(4)学生等でないこと。
※ただし、当分の間、500人未満の事業所には適用されません
【平成28年10月から施行されます】
----- ④ 厚生年金、健康保険等の保険料が産休期間中も免除されるようになります -----
(※)産前産後休業期間
産前6週間(多胎妊娠(双子などの場合は14週間))、産後8週間のうち、被保険者が業務に就かなかった期間のことです。
*現在も育児休業期間は本人・会社負担分も届出で免除されます。
満3歳未満の子を養育するための育児休業等期間について事業主の申出で免除されています。
【平成24年8月22日から起算して2年を超えない範囲内で政令で定める日から施行されます】
----- ⑤ 遺族基礎年金が父子家庭へも支給されるようになります -----
被保険者又は被保険者であった者の子のある配偶者又は子に支給することとされました。
*現在は遺族基礎年金は母子家庭のみが受給できましたが、一定の子のある妻、一定の子のほか、一定の子のある夫も支給対象とします。
【平成26年4月から施行されます】
などが決まりました。
※ ①、②、⑤については、税制抜本改革により得られる税収(消費税収)が充てられます。
その他では、公的年金制度の一元化(厚生年金と共済年金を統一)も行われます。
10年で老齢基礎年金が受給できるようになれば、今まで保険料を滞納したいたかたの加入増加につながればよいですね。
また、厚生年金の範囲が広がればパートさんの働き方も考えなければなりません。
このような改正が決まったということは、知っておくとよいと思います。