悪徳リースバックの実態
リースバックとは、不動産の所有者がその不動産を買い手に売却した後、その不動産を再びリース(賃貸)することを指します。
このような取引は、売主にとってメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
最大のデメリットは自宅の売却価格が相場よりも 2割から3割程度安くなる
という点です。
不動産会社の目線で考えてみると、リースバック契約を結ぶ物件を相場と同じ金額で購入することはできません。なぜなら、ほとんどの場合、賃貸借契約が終わった後での物件の価値は今よりも下がるからです。
例えばリースバッグの賃貸借契約は終わり、元所有者が退去のタイミングで物件を賃貸に出そうとすると修繕やフォームは、不動産会社の負担で行わなければなりません。
かといって、売却するにしても、経年劣化により不動産価値が落ちていることが予想されます。このように、リフォームのコストがかかることや不動産価値の低下が想定される分、対象不動産の売買価格は通常の売却よりも低くなってしまうのです。価格が低くなる理由は
将来、不動産売却にかかる負担を不動産会社の方で担保しているから
なのです。
リースバックのメリット・デメリットを前回のコラムでまとめております。こちらも参照してみてください。
・長生きリスク
本来、喜ばしいことであるはずの長生きがリースバックのリスクを上げることになりかねません。
人生100年時代と言われる中、少子高齢化により年金がこの先、上がることまず考えられません。老後の資金調達のためにリースバックを選ぶ高齢者が多いですが、リースバックは相場よりも高い賃料で自宅を賃貸借契約することになるので将来、売却によって得たし資金調達した現金がなくなり、家賃が払えなくなれば、当然に退去する必要が出てきます。
それは5年後ですか?10年後ですか?20年後ですか?
家賃の滞納をすれば長年住み慣れた家を引越さなければならなくなります。今よりも年を取った売主は老体に鞭を打って引越し作業に追われることになります。認知機能は下がっていることだって考えられます。ともなれば親族に協力してもらう必要も出てくるでしょう。
そんな自分やご両親を想像するのはつらいと思います。体も元気で認知機能の低下していない今のうちにこの10~20年、将来のことを考えてみるべきだと思います。
リースバックと長く生きることのリスク
は必ず天秤にかけなければいけない問題ですので、リースバックのメリットだけでなく、デメリットもよく理解した上でリースバックは選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。
住宅のリースバックに関するガイドブックが国土交通省から出ておりますので是非こちらも参照いただき、不動産のプロの意見が聞きたい場合、お気軽にご相談いただければと思います。