○敷金の通説○

宮本裕文

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テーマ:賃貸借契約


賃料債務等の相殺

敷金の通説

借主が、「賃料の2ヶ月分を敷金として預けているので、2ヶ月間は賃料の支払に応じない」などと主張することはできません。

敷金については、通説や今までの判例によりその性質を判断しますが、一般的には、借主の賃料の支払い、その他賃貸借契約上の債務を担保する目的で貸主に交付する金員とみなされています。

契約の解除時(明渡)の際、借主に債務不履行があるときは、その弁済に充当され、その残額を返還するという、「停止条件付返還債務を伴う金銭所有の移転」であるとするのが通説となりそうです。

あまり知られていませんが、敷金は賃貸借契約締結時と同時に、または締結前に預け入れされることが一般的ですが、賃貸借契約締結後に支払う合意も有効です。

敷金によって担保される借主の債務は、賃貸借契約から生じる、全ての損害の賠償債務等となります。

借主からの相殺申出はできません

したがって、借主側から敷金をもって債務に充当する申出や主張はできないとされています。


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