○負担の消除○

宮本裕文

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テーマ:売買契約


負担の消除

負担の消除

第○条 売主は、本物件の所有権移転の時期までに、抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権、その他買主の完全な所有権の行使を阻害する一切の負担を消除する。

売買対象となっている不動産に銀行等の抵当権がついていたり、賃貸中の建物を売却するなど、売買対象の不動産に他人が抵当権や賃借権等などの権利を有していることはよくあります。

その場合、不動産の所有者(売主)からみれば、完全な所有権の行使に支障がある状態となっています。
抵当権は、それだけでは買主が購入した不動産を使用する妨げとはなりませんが、もし抵当権が実行されたら、買主は購入した不動産の所有権を失ってしまいます。従って、抵当権がついたままの状態での取引は大変なことになる恐れがあります。

本来、売主は所有権移転の時期までに上記のような負担をなくした上で、引渡さなければなりません。

例えば、売買物件に銀行の抵当権がついていたら、この条項により、売主は所有権移転時期(代金支払い時)までに抵当権抹消登記をしなければなりません。

また、売買契約時に賃借人等の占有者がいれば、売主は所有権移転時期までに賃貸借契約を終了させ、賃借人の明渡しも完了させ、占有者のいない状態で買主に物件を引き渡さなければなりません。

これに対し、収益物件の売買のように、買主が賃借権を引受けることを前提に売買契約をすることも可能です。この場合は、特約等でその旨を明記する必要があります。

同時抹消 同時移転


なお、一般的には所有権移転時(代金支払い時)に買主の代金をもって抵当権を抹消した後、所有権の移転をします。



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