○賃借人の死亡と元本確定○

宮本裕文

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テーマ:賃貸借契約

元本確定とは

元本確定

賃貸借契約でいう「元本確定」とは、保証のもととなる主債務(賃借人の債務)の金額が、保証人との関係で確定することをいいます。

賃貸借契約の個人保証の場合において個人保証人の保護の見地から元本確定事由の規定があります。例えば、賃借人又は保証人のいずれかが死亡した場合、保証債務の金額が確定し、その後に生じた家賃滞納などの債務に関して、保証人あるいは保証人の相続人に請求できなくなります。

事例

賃貸借契約で賃借人が居室内で死亡(自殺・孤独死)し、元本が確定した時には、実務上どのような影響が考えられますか?

実務上

自殺により死亡したことによる損害は自殺という生前の善管注意義務違反に起因する損害であり、その損害が賃借人の死亡によって確定しますが、保証人や相続人に対し、その損害賠償を請求できなくなるということはないと考えられています。
一方、孤独死については善管注意義務違反とはいえないので、損害賠償請求は認められないと考えられています。

事例

死亡時の滞納家賃回収はどうなりますか?

実務上

死亡までの滞納賃料は保証人、相続人に請求できますが、死亡後の滞納は保証人には請求できず、死亡した賃借人の相続人に請求することになります。



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宮本裕文(宅地建物取引業者)

有限会社富商不動産販売

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